金曜日の昼過ぎに観測記事が流れ、金融緩和の期待が高まった。ドル円は朝から下がり傾向にあり、やはり110円ちょうどは超えられなかったかといっていた矢先である。たしかにテクニカルポイントだったのだから、相場の引っかかりどころではある。逆にいうと、何も起こらなければ、そこまで届いても相場は反転するのが筋である。
そこで上抜けするだけの材料を欲していたタイミングでもあったのだ。110円超えはテクニカル的にも大きなインパクトがあった。それがさらに上値追いするだけの理由を与えもした。そうしてドル円やユーロ円が堅調なまま、海外市場に突入。後はドル円の上値がどこまでなのかを確かめねばならない。
時間的にはスピード調整が出てきても、おかしくはない。しかし流れか観測記事の実態がよくわからない。何か出てくるといけないという思いから、ドル円のショートカバーはますます進むという構図だ。買い戻しのストップロスも順々に飛び出してくる。イベントはほとんどない中、そうした短期需給だけでドル円は値を切上げていった。
ニューヨーク時間に入ると、早々にドル円は111円台に到達。ここまで来ると下値不安がだいぶ薄らぐ。マーケットに参入するにはドル円を買ってみようかなという意欲をかき立てるには十分である。ドル円はそのまま111円台を割り込むことなく、そのまま高値攻めが続いた。間接的な影響を受けて、ユーロドルもドル高の方向に引きずられた感じである。
今週はアメリカのFOMCと日銀の金利会合を控えている。それだけ余計に敏感になっているのもやむをえない。しかし普通に考えればFOMCでも日銀会合でも何もしないことは明らかだと思う。やるべき理由がないのだ。
しかし市場が日銀がやることを織り込んでしまった以上、それをどのように正当化するのだろうか。できなければ相当の反動を覚悟しないといけない週となる。先週の金曜日からの日本株の上げもドル円の上げも、空中戦だったということになる瞬間がどういうものなのか。そこに最大の注意を払わないといけない。
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