昨日は週明けのマーケットだったが、さんざん心配されたドル円の下値突っ込みはなかった。早朝から105円台あたりで始まってもおかしくはなかったのに、106円台の前半ではじまったのは妙な安心感を市場に与えた。
それが勘違いにつながったのか、日本株は大幅上昇し、先週末の日経先物のニューヨーククローズよりは300円ほども上がって、高値引け。ドル円も下攻めする意欲を失ってしまった。
それにして先週の日銀会合後の会見で黒田総裁は「市場との会話ができている」という認識を示したが、本当に対話ができていると考えているのだろうか。そもそも市場との対話という言葉が流布しだしたのは、10年以上前のグリーンスパンにさかのぼる。
彼はマーケットの思惑をマイルドにコントロールする名手だとされてきた。それは何をもってそういうのか。FOMCの結果が出ても、それがジャスト事前のコンセンサス通りにするということである。
だからFOMCはほとんど予想通りばかりであって、何の波乱も起こらない。市場の動きに反応すべきトレーダーらにとっては実につまらないのだが、それが彼の在任20年余りの名声を高めたのは事実である。
本日になってからようやくドル円は105円台に突入してきた。勢いのよい下攻めでないがじわりと進んでいる。昨日はおとなしかった米国株の具合によっては、ドル円の一段安もありうる。日本勢は金曜まで不在であるし、注意してかかりたい。
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