※マネースクウェア・ジャパンの「スワップ金額スプレッドゼロ」施策は、2016年8月より恒常化されましたが、その適用条件については、2016年10月より、「M2JFX」で両建て取引をする場合のみに変更されます。そのため、本記事で紹介している「異業者両建て」の手法でマネースクウェア・ジャパンは使えなくなると思われます。詳しくは、マネースクウェア・ジャパンのウェブサイトでご確認ください
大マイナス金利時代にスワップ金利の魅力に注目!
2016年1月には日銀がマイナス金利を導入し、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、みずほ銀行に加え、ゆうちょ銀行までもが相次いで預金金利を引き下げ、世はまさに大海賊時代ならぬ大マイナス金利時代。0.0何%とか、もはや預金金利はないに等しい状態です。
【参考記事】
●日銀のマイナス金利導入で相場大荒れ!米ドル/円は急上昇→急反落→ジリ上げ
銀行預金で付与される金利とは異なりますが、FXでも高金利通貨を買い、金利の低い通貨を売る取引をすれば、ポジションを持ち越すごとに「スワップ金利」(スワップポイント)という、立ち位置的には金利っぽいものを受取ることができます!
高金利通貨のメジャーどころは、豪ドルやNZドルや南アフリカランド、トルコリラなど。金利の低い通貨と言えば、日本円や米ドルが挙げられます。
【参考コンテンツ】
●経済指標/金利:各国政策金利の推移
でも、為替リスクって怖いですよね…?
年利に換算すると、日本円の銀行預金などとは比べものにならないくらいの利率を誇るスワップ金利なのですが、いくらスワップ金利が魅力的でも、FXでポジションを持つ以上、怖いのが為替リスク。
せっかくスワップ金利をコツコツ貯めても、為替変動で損失が膨らんでしまったら、儲けなんてあっと言う間に吹っ飛んでしまう可能性もあります…。
試しに豪ドル/円のチャートを見てみると、ここ最近は大きく下落しています。2014年末には100円台でしたが、2016年6月現在は80円台あたり。およそ20円の下落…。
(出所:ヒロセ通商)
仮にこの間、豪ドル/円の買いポジションを保有し、スワップ金利をコツコツ貯めていたとしても、20円の下落による損失を埋めるのは難しいでしょう。やはり、為替リスクは恐ろしい!
でも、こうした為替リスクを排除し、スワップ金利だけを受け取れる裏ワザがあるのです!
両建ては両建てでも「異業者両建て」をする
いったい、どんな裏ワザ!?
みなさんは、「異業者両建て」と言われる手法を聞いたことはありますか? この手法を使えば、「為替リスクを排除し、スワップ金利だけを受け取る」という夢のような状況を作り出せます!
「異業者両建て」とは、異なるFX会社の口座で、同じ通貨ペアの買いポジションと売りポジションをそれぞれ保有すること。要はFX会社をまたいで両建て取引することを言います。
組み合わせるFX会社は、ズバリ、買いポジションで発生する受け取りスワップ金利ができるだけ高いところと、売りポジションで発生する支払いスワップ金利ができるだけ低いところ。
こうすることで、為替リスクに晒されることなく、2つのFX会社でそれぞれ発生するスワップ金利の差額を、まるっと儲けにすることができるのです。
では、いったい、どのFX会社とどのFX会社で異業者両建てをすると良いのでしょうか?
支払スワップ金利が低いFX会社なんて調べたことがない…
スワップ金利が高いFX会社は、調べたことがあったり、いくつか思い浮かぶわ、なんて方も多いと思いますが、売りスワップ金利が低いFX会社はどこだ? なんていきなり言われても、ぱっと思いつかなかったりしますよね?
ザイFX!でもスワップ金利の高いFX会社を比較するコンテンツはありますが、さすがに売りスワップ金利の低いFX会社を比較するコンテンツはありません。
【参考コンテンツ】
●FX会社おすすめ比較:スワップ金利で比べる
しかしながら、各社のウェブサイトなどを片っ端からあさっていると、売りスワップ金利の低い会社として、あるFX会社が浮上してきました。それは、マネースクウェア・ジャパン!
スワップ金利は、多くのFX会社で支払いスワップ金利の方が、受け取りスワップ金利より高く設定されているもの。それが、マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」は、同じ金額で提供されているのです。
実は、マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」では、現在、「スワップ金額スプレッドゼロ」という施策が実施されており、2016年12月30日(金)まで、全通貨ペアの売りと買いのスワップ金利が同値で提供されるのです!
2016年2月に始まったこの施策、はじめは6月末で終了する予定でしたが、このたび、延長されました。
※マネースクウェア・ジャパンの「スワップ金額スプレッドゼロ」施策は、2016年8月より恒常化されましたが、その適用条件については、2016年10月より、「M2JFX」で両建て取引をする場合のみに変更されます。そのため、本記事で紹介している「異業者両建て」の手法でマネースクウェア・ジャパンは使えなくなると思われます。詳しくは、マネースクウェア・ジャパンのウェブサイトでご確認ください
リピート系発注機能、トラップリピート・イフダン(通称トラリピ)でおなじみのマネースクウェア・ジャパン「M2JFX」は、実は、以前から提供されているスワップ金利が全体的に売り・買いとも、あまり高くありません。
為替差益で利益を狙うトラリピが主力サービスであるマネースクウェア・ジャパン「M2JFX」ですから、スワップ金利を狙ってポジションを持ちっぱなしにする中長期派の取引環境充実には、そこまで注力していないのかも…。
【参考コンテンツ】
●システムトレード(シストレ)口座を徹底比較!:(4)リピート系発注機能【トラリピなど】
スワップ金利が低いって、普通に考えるとメリットではありませんが、異業者両建てをする場合は、マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」のスワップ金利があまり高くないという点が、一転して魅力に変わります。
元々スワップ金利が低めで、さらに今なら売り・買いのスワップ金利が同値で提供されているマネースクウェア・ジャパン「M2JFX」、異業者両建てで、高金利通貨売りポジションを保有するFX会社として使えそうです!
トルコリラ/円で異業者両建てをシミュレーション
それではさっそく、そんなマネースクウェア・ジャパン「M2JFX」と買いスワップ金利が高いFX会社を組み合わせて異業者両建てをした場合のシミュレーションをしてみましょう。
取引する通貨ペアによって組み合わせる会社は違ってきますので、そのあたりも注目してくださいね。
まずは、近年、FX業界で高金利通貨として人気が急上昇しているトルコリラ/円でシミュレーション! はじめに、トルコリラ/円の買いスワップ金利が高いFX会社をチェックしておきましょう。
※調査日:2016年5月23日(月)~24日(火)
【参考コンテンツ】
●FX会社おすすめ比較:トルコリラが取引できるFX会社「スワップ金利の高い順」
現在、トルコリラ/円のスワップ金利がもっとも高いのは、ヒロセ通商「LION FX」の115円。実は、ヒロセ通商「LION FX」では、2015年5月からトルリラ/円のスワップ金利が固定で提供されています。
通常、スワップ金利は日々、変動するものですが、それが固定されているというのはうれしいし、安心です。トルコリラ/円について、こんなことをしているのは、ヒロセ通商「LION FX」くらいのもの。貴重なFX会社です。
業界トップ水準で、しかも固定されているスワップ金利ならこれ以上はないだろう、ということで、トルコリラ/円では、ヒロセ通商「LION FX」とマネースクウェア・ジャパン「M2JFX」の異業者両建てをシミュレーションしてみましょう。
レバレッジなしでも年利換算すると1.52%!
スワップ金利の金額は、2016年6月3日(金)現在のものを使用。ヒロセ通商のトルコリラ/円買いスワップ金利が115円、マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」のトルコリラ/円売りスワップ金利はマイナス79円です。
取引量は1万通貨、トルコリラ/円の取引レートは37円とし、検証期間は1年とします。まずは、レバレッジなし(レバレッジ1倍)の状態で考えてみましょう。
結果を先にお伝えすると、スプレッドや取引手数料などのコストを差し引いても、ご覧のとおり、1年で1万1250円のスワップ金利が手元に残るという結果になりました! レバレッジなし(1倍)の状態でも年利換算すると1.52%。0.0何%の銀行預金などと比べると、悪くない利率ですね。
計算式は、ご覧のとおり。「取引量:1万通貨」と書いていますが、両建てにしますので、買いポジションと売りポジションの合計では2万通貨ということになります(売りと買いでポジションが倍になることは、これ以降に登場するシミュレーションでも同様です)。
【トルコリラ/円で「異業者両建て」した場合】
● 異業者両建ての組み合わせ
ヒロセ通商「LION FX」×マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」
● 取引量と証拠金(投資元本)
・取引量:1万通貨/レバレッジ: なし(1倍)
…証拠金(投資元本)37万円×2=74万円
※為替レート: トルコリラ/円=37円と仮定
● スワップ金利
・買い(受取り)スワップ金利: ヒロセ通商「LION FX」 115円
・売り(支払い)スワップ金利: マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」 マイナス79円
115円-79円=36円
…スワップ金利の差額: 36円
36円×1年間(365日)=1万3140円
…1年間のスワップ金利: 1万3140円
● コスト
・ トルコリラ/円スプレッド
ヒロセ通商「LION FX」: 4.9銭
マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」: 8銭(※)
※マネースクウェア・ジャパンはスプレッド非公開だが、実際の取引画面で確認
490円+800円=1290円
…スプレッド: 1290円
・ 取引手数料
ヒロセ通商「LION FX」: 0円
マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」: 600円(1万通貨あたり片道300円×2)
…取引手数料: 600円
⇒トータルコスト: 1890円
1万3140円-1890円=1万1250円
…異業者両建てで1年間運用すれば、1万1250円の利益!
● 年利
・ 投資元本…74万円
・ 年利計算
1万1250円÷74万円×100=1.52%
…年利:1.52%(小数第3位で四捨五入)
レバレッジをかけたら、年利は4.56%とか7.60%に!
レバレッジなしでこの利率なら、レバレッジをかけたらもっとスゴイ利率になるんじゃないの? ということで、レバレッジ3倍と5倍でも年利を算出してみました。
計算方法は簡単。単純にレバレッジなしの状態で算出した金利に、レバレッジの倍数を掛ければ年利を求めることができます。
レバレッジ3倍で取引した場合は、レバレッジなしの時の年利1.52%を3倍して年利4.56%、レバレッジ5倍で取引した場合は、1.52%を5倍して、年利なんと7.60%に! これぞ高金利って感じですね! 為替リスクなしでこの利率は魅力的です。
以下では、レバレッジをかけた場合の証拠金(投資元本)を記載したうえで、レバレッジ3倍と5倍で取引した場合の年利を算出しています。興味のある方は、参考にしてくださいね。
【レバレッジ3倍】
● 取引量と証拠金(投資元本)
・取引量:1万通貨/レバレッジ: 3倍
…証拠金(投資元本)12万3333.33...円×2=24万6667円(小数第1位で切上げ)
※為替レート: トルコリラ/円=37円と仮定
● 年利
・投資元本…24万6667円
・年利計算
1万1250円÷24万6667円×100=4.56%
…年利:4.56%(小数第3位で四捨五入)
【レバレッジ5倍】
● 取引量と証拠金(投資元本)
・取引量: 1万通貨/レバレッジ: 5倍(小数第1位で切上げ)
…証拠金(投資元本)7万4000円×2=14万8000円
※為替レート: トルコリラ/円=37円と仮定
● 年利
・投資元本…14万8000円
・年利計算
1万1250円÷14万8000円×100=7.60%
…年利:7.60%(小数第3位で四捨五入)
ヒロセ通商のトルコリラ/円、必要証拠金額に注意!
紹介したとおり、レバレッジをかければかけるほど、投資元本となる証拠金は少なくなり、利回りも高くなりますが、レバレッジが高くなるということは、当然、その分、ロスカットにかかってしまう危険性も高くなるということです。
中長期でポジションを保有し、為替リスクをとらずにスワップ金利の差額だけを稼いでしまおう、という異業者両建てですので、ロスカットにかかり、両建てが外れてしまっては元も子もありません…。利回りにばかり目が行って、レバレッジをかけすぎないように注意してくださいね。
特にヒロセ通商「LION FX」では、トルコリラ/円の必要証拠金が、1000通貨あたり、取引量×4%の金額か6000円のいずれか高い方となります。
取引量が1万通貨の場合は、取引量×4%の金額か6万円のいずれか高い方が証拠金となります。1トルコリラ=37円で算出すると、37円×1万通貨の4%よりも、明らかに6万円の方が高い金額となります。これが必要証拠金となると、最大レバレッジは6倍ちょっとということに…。
法令で定められている最大25倍というレバレッジだけを意識していると、いつの間にかロスカットが迫っていた! なんて危険もあります…。資金管理には、十分注意するようにしてください。
豪ドル/円とNZドル/円はこんな感じで、まずまず
ちなみに、ヒロセ通商「LION FX」とマネースクウェア・ジャパン「M2JFX」の異業者両建てで、豪ドル/円とNZドル/円を見てみると、トルコリラ/円ほどではありませんが、そこそこ高い利回りが見込めることもわかりましたので、あわせて紹介します。
ひと昔前ほど高金利通貨の代表格ではなくなった感がありますが、それでも豪ドルやNZドルは、スワップ金利派の中長期トレーダーには根強い人気がありますよね?
実は、ヒロセ通商「LION FX」では、豪ドル/円とNZドル/円についても、2015年10月から豪ドル/円が50円、NZドル/円が60円という固定スワップ金利を提供中(通称:オセアニア祭り)。このスワップ金利も業界トップ水準です。これは、ぜひチェックしておいていただきたい情報ですね。
(ヒロセ通商「LION FX」については、固定されているのでしばらく変わっていませんが…)、スワップ金利の金額は、2016年6月3日(金)現在のものを使用。取引量は1万通貨、豪ドル/円の取引レートは78円、NZドル/円の取引レートは74円とし、検証期間は1年とします。
先ほどと同様、レバレッジなし(レバレッジ1倍)の状態に加え、レバレッジ3倍、5倍にした状態での年利を算出してみました。
【豪ドル/円で「異業者両建て」した場合】
● 異業者両建ての組み合わせ
ヒロセ通商「LION FX」×マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」
● 取引量と証拠金(投資元本)
・取引量: 1万通貨
※為替レート: 豪ドル/円=78円と仮定
● スワップ金利
・買い(受取り)スワップ金利: ヒロセ通商「LION FX」 50円
・売り(支払い)スワップ金利: マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」 マイナス29円
● 年利
・レバレッジなし…0.41%
・レバレッジ3倍…1.23%
・レバレッジ5倍…2.05%
【NZドル/円で「異業者両建て」した場合】
● 異業者両建ての組み合わせ
ヒロセ通商「LION FX」×マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」
● 取引量と証拠金(投資元本)
・取引量: 1万通貨
※為替レート:NZドル/円=74円と仮定
● スワップ金利
・買い(受取り)スワップ金利: ヒロセ通商「LION FX」 60円
・売り(支払い)スワップ金利: マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」 マイナス37円
● 年利
・レバレッジなし…0.46%
・レバレッジ3倍…1.39%
・レバレッジ5倍…2.32%
※コストとしてスプレッドと取引手数料を差し引いて算出
レバレッジなしだと、そこまで魅力は感じられないかも? しれませんが、レバレッジ5倍にすると、豪ドル/円もNZドル/円も年利2%を上回ってきます。先に紹介したトルコリラ/円には及びませんが、0.0何%の銀行預金などに比べれば…です。
トルコリラ/円は、マイナー通貨だからちょっと怖い…なんて人は、豪ドル/円やNZドル/円から始めてみると良いかもしれません。
南アフリカランド/円のスワップ金利はくりっく365が高い!
もう1つ、高金利通貨と言えば、必ず名前が挙がってくる南アフリカランド/円で1年間運用した場合の年利もシミュレーションしておきましょう。
2016年6月現在も、南アフリカの政策金利は7%と高い水準で推移しています。トルコの政策金利も7.5%と近い水準ですが、トルコリラ/円と比べると、異業者両建てではいったいどちらの利回りの方が高いのでしょうか?
【参考コンテンツ】
●経済指標/金利:各国政策金利の推移
南アフリカランド/円のスワップ金利が高いFX会社は、ご覧の各社。もっとも高いのは取引所FXのくりっく365で、2016年6月3日(金)現在では、13.5円となっていました。取引所FXとの異業者両建てなら安心感もありますね。
なお、以下の表は、2016年5月23日(月)~24日(火)に調査されたものです。若干、6月3日(金)現在のものとは水準が異なりますので、ご了承ください。
※調査日:2016年5月23日(月)~24日(火)
【参考コンテンツ】
●FX会社おすすめ比較:南アフリカランドが取引できるFX会社「スワップ金利の高い順」
くりっく365では、「南アランド/円ならくりっく365」と公式サイトで大々的に謳っており、スワップ金利はもちろん、スプレッドも2016年3月の平均実績値で0.99銭とかなり力を入れているようです。これなら当面は、高い水準のスワップ金利を維持してくれそう!
また、くりっく365のスワップ金利は、以前から売りと買いが同値で提供されています。お伝えしたとおり、通常、支払いスワップ金利の方が、受け取りスワップ金利よりも高く設定されているもの。同値というのは、とても珍しいケースです。
ただし、先ほど紹介したヒロセ通商「LION FX」とは異なり、くりっく365のスワップ金利は固定されているものではありません。日々、変動しますので、この点はご注意くださいね。
M2Jの南アフリカランド/円スワップ金利は業界最安水準!
一方、マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」の南アフリカランド/円のスワップ金利は、売り・買いともに1万通貨あたり、2016年6月3日(金)現在7円。これって支払いスワップ金利としては、調べた限り、FX業界でもぶっちぎりで低い水準なのです。
マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」と同じくらいの買いスワップ金利を提供している他のFX会社だと、もっと売りスワップ金利の金額は大きくなります。
たとえば、同じく2016年6月3日(金)分で見てみると、マネーパートナーズ「パートナーズFX」は買い5円で売りマイナス19円、外為オンライン「外為オンラインFX」は、買い7円で売りマイナス20円など。売りスワップ金利は、買いスワップ金利の3倍程度で提供されているのです。
FX業界でもぶっちぎりに低い水準で提供されている南アフリカランド/円の売りスワップ金利は、先ほどお伝えしたマネースクウェア・ジャパン「M2JFX」で実施中の「スワップ金額スプレッドゼロ」という施策の効果! このチャンスを逃す手はありません。
10万通貨取引なら、65円ものスワップ金利の差額が!
ということで、くりっく365とマネースクウェア・ジャパン「M2JFX」で異業者両建てをした場合のシミュレーションを行いました。
くりっく365での南アフリカランド/円の最小取引単位は10万通貨なので、これから行うシミュレーションも10万通貨単位で算出しています。
スワップ金利の金額は、2016年6月3日(金)現在のものを使用。10万通貨だと、くりっく365の南アフリカランド/円買いスワップ金利は135円、マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」の南アフリカランド/円売りスワップ金利はマイナス70円になります。
南アフリカランド/円の取引レートは7円とし、検証期間は1年とします。まずは、レバレッジなし(レバレッジ1倍)の状態で考えてみましょう。
スプレッドや取引手数料を差し引いても、ご覧のとおり、1年で1万5735円のスワップ金利が手元に残るという結果になりました。レバレッジなしの状態でも年利換算すると1.12%。
レバレッジなしの年利が1.52%のトルコリラ/円には及びませんが、悪くない水準です。
【南アフリカランド/円で「異業者両建て」した場合】
● 異業者両建ての組み合わせ
くりっく365×マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」
● 取引量と証拠金(投資元本)
取引量:10万通貨/レバレッジ: なし(1倍)
…証拠金(投資元本)70万円×2=140万円
※為替レート:南アフリカランド/円=7円と仮定
● スワップ金利
・買い(受取り)スワップ金利: くりっく365 135円
・売り(支払い)スワップ金利: マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」 マイナス70円
135円-70円=65円
…スワップ金利の差額: 65円
65円×1年間(365日)=2万3725円
…1年間のスワップ金利: 2万3725円
● コスト
・南アフリカランド/円スプレッド
くりっく365: 0.99銭
マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」: 3銭(※)
※マネースクウェア・ジャパンはスプレッド非公開だが、実際の取引画面で確認。くりっく365もスプレッド非公開だが、公式サイトにある2016年3月の平均実績値を参照
990円+3000円=3990円
…スプレッド: 3990円
・取引手数料
くりっく365: 0円
※取扱いFX会社によって異なる。GMOクリック証券や岡三オンライン証券なら取引手数料0円
マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」: 4000円(10万通貨あたり片道2000円×2)
…取引手数料: 4000円
⇒トータルコスト: 7990円
2万3725-7990円=1万5735円
…異業者両建てで1年間運用した結果、1万5735円の利益!
● 年利
・投資元本…140万円
・年利計算
1万5735円÷140万円×100=1.12%
…年利: 1.12%(小数第3位で四捨五入)
ちなみに、レバレッジ3倍と5倍の時の年利を算出してみると、レバレッジ3倍で3.37%、レバレッジ5倍だと5.62%となりました。
やはり、一番利回りが高いのは、トルコリラ/円のレバレッジ5倍、7.60%でしょうか。南アフリカランド/円もかなり高い水準ではありますので、興味のある方はこちらもチェックしておいてくださいね。
高金利でもマイナー通貨は、急変の可能性がある
ただし、南アフリカランドやトルコリラといった通貨は、マイナー通貨です…。取引量も米ドルやユーロ、円などに比べると少なく、流動性が乏しい傾向があるという点をお忘れなく。
国内の政局が不安になったり、なんだりで、突然急落したりすることもあります。南アフリカランドは、過去、月曜オープンの時などに何度か大暴落したことも…。
【参考記事】
●南アフリカランド/円が20分で13%超暴落! それを事前に察知していたFX会社とは?
●大統領の愛人問題も関係!? 南アランドが1000pips暴落! 取引所のレート消失事
●南アランド/円急落時でも業界トップ水準のスプレッドを提示していたFX会社はどこ?
繰り返しお伝えしていますが、異業者両建ては、為替リスクを排除した状態でスワップ金利だけを受け取ることを目的とした手法です。もし、はからずも片方のポジションがロスカットにかかってしまったりすると、その時点で両建てではなくなり、普通に為替リスクに晒されることになるのです。これは危ない…。
あくまでレバレッジは控えめに! 異業者両建てをするなら、手堅く利益を狙うことを考えたいですね。
スワップ金利「固定」やスワップ金利「同値」は絶対ではない
また、当記事では、ヒロセ通商「LION FX」では、豪ドル/円やNZドル/円、トルコリラ/円のスワップ金利が固定で提供されているということや、マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」のスワップ金利が現在は売り・買い同値で提供されていることをお伝えしました。
固定されている、同値で提供されている、それはとてもうれしいことですし、メリットがあると思うので紹介したワケですが、本来スワップ金利は日々変動するもの。また、受け取りスワップ金利よりも支払いスワップ金利の方が多いのが普通です。
ヒロセ通商「LION FX」の固定スワップ金利も、これまで延長を繰り返していますので、きっとまだまだ続けてくれると思いますし、マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」の「スワップ金額スプレッドゼロ」も、少なくとも2016年12月30日(金)までは続くと思います(※)。
でも、それぞれの施策を継続するかどうかは、各FX会社次第…。もしもこの先、こうした施策を継続することが難しいマーケット状態に陥った時などは、現在のような固定スワップ金利や売り・買い同値のスワップ金利で取引することはできなくなるかもしれません。
固定スワップ金利も売り・買いスワップ金利同値も、絶対ではないという点をあらかじめ頭に入れて、取引に臨むようにしてくださいね。
(※今回の記事でのシミュレーションは、わかりやすくするために期間1年で計算していますが、マネースクウェア・ジャパンから現時点で公表されている「スワップ金額スプレッドゼロ」の実施期間は、あと半年ほどです)
「異業者両建てでポジション建てたら、あとは放置」ではダメ
異業者両建ては為替相場の先行きを気にすることなく、スワップ金利の差額を儲けられる手法ですが、ポジションを建てたら、あとはずっと放置しておけばよい、というほど楽なものではありません。
相場が大きく変動して、ロスカット水準が近づいてきてしまったら、口座に追加入金する必要があるかもしれませんし、スワップ金利に関するFX会社の施策が変更され、その結果、ポジションをキープしていれば、ジリジリと毎日損してしまうといった状況になれば、この手法をあきらめ、ポジションを解消する必要があるでしょう。
この手法を実際にやってみる場合は、こういったことに十分注意してくださいね。
通貨ペアごとに最強の異業者両建てを見つけるのもあり!
ということで、今回は、「為替リスクを排除し、スワップ金利だけを受け取れる裏ワザがある」というテーマの下、「異業者両建て」についてお伝えしました。
いかがでしたでしょうか? なかなか、おいしそうな手法ではないでしょうか?
今回は、トルコリラ/円と豪ドル/円、NZドル/円ではヒロセ通商「LION FX」とマネースクウェア・ジャパン「M2JFX」、南アフリカランド/円では、くりっく365とマネースクウェア・ジャパン「M2JFX」の間で異業者両建てを紹介しましたが、みなさんも通貨ペアごとに、異業者両建てに適した最強のFX会社の組み合わせを探してみると、おもしろいかもしれませんよ!
隠れた最強の組み合わせが、あるかも…?
【参考コンテンツ】
●FX会社おすすめ比較:スワップ金利で比べる
※マネースクウェア・ジャパンの「スワップ金額スプレッドゼロ」施策は、2016年8月より恒常化されましたが、その適用条件については、2016年10月より、「M2JFX」で両建て取引をする場合のみに変更されます。そのため、本記事で紹介している「異業者両建て」の手法でマネースクウェア・ジャパンは使えなくなると思われます。詳しくは、マネースクウェア・ジャパンのウェブサイトでご確認ください
(※各種キャンペーンの詳しい条件、期間などについては、ヒロセ通商、マネースクウェア・ジャパンのウェブサイトなどで必ずご確認ください。キャンペーン条件が変更されたり、キャンペーン期間が延長されたり、キャンペーンが終了したりすることなどがあります)
>>>ヒロセ通商「LION FX」の最新スペック詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
>>>マネースクウェア・ジャパン「M2JFX」の最新スペック詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
(ザイFX! 編集部・向井友代)
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