今週に入ってから、ドル円の騰勢が続いている。102円ちょうどを上抜けしてきたのが大きい。後は底値を確認したという見方からの積極的な買いが入っているのだ。
テクニカル的にもダウントレンドの反転もある。昨日はアジア時間では103円台の中盤で、実にしっかりとしていた。ちょっとでも下がろうものならば、そこは絶好の買い場だといわんばかりに買われてしまう。
欧州序盤ではドルの全面高の様相が強まって、ドル円は103.70あたりまで上昇してきた。私も少しずつドル円をロングにして攻めこんでみるものの、上げが止まると即座に利食い。
とても長く持っていられるものではない。ドル高相場になっているのは、マーケットでは無視されているが、実はポンドドルの下落がリードしているのではないかと考えている。
昨夜の海外市場では原油価格が50ドルの大台に乗せてきた。アメリカ南部に大型ハリケーンが接近していることが、精製所の多く集まっていることからも石油供給の不安を煽っている側面もあった。原油価格の上昇はリスク許容度の増大をもたらす。それでドル円は104円台まで上昇。
今晩はアメリカの雇用統計だ。それに向けて様子見が続くと思われていたのだが、早朝のセッションでポンドが急落を演じた。特にユーロポンドでの買い戻しが激しく入ったようで、いずれにしてもマーケットの外部環境はリスク性の高まりを示唆しているのは確か。格別にイギリスに関するフレッシュな材料が出たわけではない。
やはりポンドドルやユーロドルでテクニカルなポンドの投げ売りが順次、出てきたというところなのだろう。そしてポンドはすぐに買い戻しに入ったが、いうまでもなく直前のレベルまでは戻し切れていない。
その雇用統計なのだが、就業者数は17万人前後の増加が見込まれているが、これが多少ブレることがあっても12月利上げの方針は大きく変わることはないだろう。むしろ問題なのは平均時給のほうである。
こちらがプラス0.3%とか出ると、利上げは確実視され、ドルは全面高となろう。ドル円の上昇は正当化され、高値追いが続くことになりそうだ。高くても目をつぶって買っていかないといけない。
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