昨日は世界的にマーケットは小動きだった。なんといっても日本時間で3月1日の11時からとされるトランプ大統領の議会演説を待ってのことだ。米国株は昨日こそ失敗はしたものの、ダウ平均は12日も連続してラリーし続けたのだが、その方向性が正しいのかどうかを試される場となるわけだ。
昨日の早い時間でのトランプ大統領のコメントでは、問題とされている財源については経済成長によるものとされている。しかしこれでは議会の予算委員会や政府の予算局で話が通じない。もっと明確な財源を明示しないと、実現身に薄いとされ、これまで述べてきた景気のいい話は偽物だとされる。オバマケアのカットだけでは財源は捻出できない。
ドル円は112円台の前半の状態でダウンサイドリスクを抱えたまま、ニューヨーク序盤へ。上院の予算委員会から現状の税法では改定は困難とのコメントが流れると、一気にリスク回避に傾いた。ドル円も111.70まで突っ込んだが、今年の安値である111.60を下回らず。
何度も止められてもいるところなので、ここをブレークしなかったことで底値を確認したこととなった。そしてニューヨーククローズまでにはそこをサポートとしてのドル買いが入った。ドル円は急速に値を戻して、112円台を回復。
アジア時間の早朝でもその流れは続いて、ドル円は急伸。113円台までジャンプした。そもそもトランプ大統領が何を発言するのかまったくわからないので、ドルが上がってきたら訳もわからずかいでついていくしかないと言った感じ。
そうしたフォロー的なドル買いが集中して、ドル円は113.35あたりまで吹き上がった。ほんの数時間前の安値から2円弱の上昇となったわけである。
しかし演説からは目新しいものは出てこなかった。従前と同じ内容といってもよい。マーケットがそれに対してどのように反応するのかに最大の関心があったわけだが、何もないということで今までと同じと解釈してリスクテークで動くのか、もしくは積極的に具体案を出せなかったことを失望で受け取るのか。
結果としてはややリスクオンとなっている。ドル円は113円台の中盤で安定しており、しかもさらなる上値追いの可能性も出てきている。今晩の海外勢の材料のこなし具合も確かめたいところだ。
日本時間 15時30分
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