昨日のトランプ大統領の演説は拍子抜けだった。面白いことを言わなかったのである。実にマイルドな表現にとどまった。問題はこれをマーケットがどう受け止めるか、である。あまり過激なことをしそうもなさそうだということで交換するのか。それともこれまで大きく買い進んできた米国株に見られるリスクテークは期待外れだったとみなされるのか。
演説のあったアジア時間では明白な答えはわからなかったが、少なくとも為替相場でドル円は直前に付けた安値の水準から2円幅も円安が進んでおり、113円台の中盤へ。また日本株も上昇しており、今年の最高値圏をうかがっている。
後は海外勢の反応を待つだけだったが、海外でもおおむね好感されたようだ。米国株は大きくラリーし、歴史的な最高値を更新。その値上がりの状況も、ほとんど押し目のない上げとなった。高値引けに近い格好で米国株は終了しているので、テクニカル的な側面から見ると、まだ上昇するための余地があるとみなされる。
それに比べるとドル円の上げは緩慢だったように映る。アナザー2円ほども上がって116円台とかに行ってもよさそうなものだ。それが114円台にちょろっと乗せたところで終了してしまっている。その挙句にニューヨーククローズに至るまでにはロングポジションのあきらめ売りも出てきて、113円台の中盤まで押し込まれた。
これはクロス円の影響が大きかったのだろう。とくにユーロ円は欧州時間から120円ちょうどというサイコロジカルな大台を手前に、かなりもんだ。相当に抵抗したわけである。確かに何度か120円ちょうどを上回る局面もあったが、その近辺での重さは拭いきれなかった。
今日は大統領の演説の後もあって、重要イベントに欠ける。昨日大幅上昇した米国株の値段が本当かどうかの正当性を確かめにいく一日となる。つまりリスクに関してかなり敏感にならざるをえない日となるわけだ。
ドル円の114円台も重そうだ。ユーロ円も上サイドのアタックには二の足を踏んでいる。ダウンサイドリスクに気をつけて、今夜の相場に臨むべし。
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