金曜日はFRBのイエレン議長のトークがあった。10日後に控えたFOMCでの金融政策がどう出てくるのかを予想するためにも市場の関心が集まった。2月までははっきり言って、3月利上げはマーケットの眼中にはなかった。年に3回の利上げがあったにしても、それは6月、9月、そして12月というのが想定された利上げのペースであった。
またトランプ大統領が何をしでかすかわからないという不透明感もあった。早急に利上げするには妨げるだけの根拠のほうが多かったのだ。しかし先週はFRBの理事や地区連銀の総裁から早期利上げを支持する意見が多発したこともあり、急速に3月利上げのコンセンサスが取れつつあるようになってきたのだ。
外部環境的には株価も高いし、インフレ状況にも問題はない。その上、雇用関連のデータでは完全雇用に近い状況が続いている。問題のトランプ大統領の不安も、だいぶ薄らいできているのも事実だ。それで為替相場でもドル高が進んできた。
金曜日のアジア時間はおおむねドル円は114円台で推移。やや下がってきても、そこを拾おうという意欲が強かった。値動きは小さいもので、ニューヨーク時間に至るまでには30ポイントも動くのがせいぜい。利上げを意識してか、グローベックスセッションでは米国株も下げ幅を大きくしていた。
結果としてイエレン議長は3月利上げをサポートする発言をした。しかしそれが材料出尽くしとなった感もある。ドル高は止まってしまい、ドル相場は反落となった。ドル円は114.70あたりまで高値トライをしていたのに、すぐに落ちて113円台にまで突っ込んでいる。そして日中のドルの安値圏で為替相場は終了した。ユーロドルも1.06台まで戻してきている。
今週は週の後半に雇用関連の経済データが出てくるが、総じてイベントが少ない。むしろ中国の全人代やトランプ大統領の動向など、政治的なファクターがマーケットに影響を与えることが多くなりそうだ。
さっそくアメリカは中国にものすごく高いダンピング課税をかけると言っているし、また全人代では経済成長のターゲットを低めてきている。リスクのゆくえには注意必要だ。
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