昨日のアジア時間ではドル円は小動きだった。朝がたに114円台から滑り落ちて、そのまま113.70-90というバンドで小動きとなった。マーケットに材料がないのだから、仕方がないといえばそれまでだ。トランプラリーが一服しているところで次に期待したいのは失望売りだが、それもなかなか出てこない。
昨日はオバマケアの再構築に関する法案作成でコンセンサスがとれないということが話題になって、アジア時間からややリスク回避の流れとなりそうだったが、それも海外市場では反発する結果となった。現場ではトランプ政権内の不協和音はあまり深刻にとらえていないということなのだろう。
また週末にトランプ大統領がツイッターでつぶやいた盗聴疑惑も問題視されたが、これも大きくマーケットに不安材料を与えるにはつながらなかった。証拠もないのにオバマ政権が盗聴していたといって大手メディアは子供じみているといっせいに批判はした。
だがこれもリスク回避のうごきを誘うことはなかった。世の中は来週のFOMCやオランダの選挙ほうに関心が移ってしまっており、それまではマーケットにダイナミックさはかけることになるのだろう。
ドル円の今年の高値は1月につけた118.61で、今年の安値は2月につけた111.60だ。ここ1か月はそのどちらもブレークしていない。そして半値は115.10なのだから、ずっと半値以下のゾーンでプレイしていることになる。つまり円高ゾーンで推移しているのである。
ここから相場が上がっても115.10が相当に強いレジスタンスとしてワークするのは目に見えている。またそれを見据えるから、現状の114円台になっても上伸するだけの勢いが感じられないのだろう。
そしてここから上サイドはテクニカル的には売りゾーンに入ってしまうからだ。しっかりとロングで攻めたいならば、115.10あたりをしっかりと上抜けしてきてから、というのが鉄則である。
ドル円が年の動きのドル安ゾーンで動いているのに対して、ユーロドルは反対にドル高ゾーンで動いている。ドル円もユーロドルも安いところで推移。これはユーロ円が安いことを意味しており、明らかにリスク回避しているという証拠ではなかろうか。ドル円もユーロドルも次にステージを変えてくるとしたら、どちらも下サイドのような気がするのも、そのためか。
日本時間 15時20分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)