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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

オレは高値づかみさせられたのでは…。
ロング筋はおびえ、戦々恐々としている

2017年03月24日(金)17:26公開 (2017年03月24日(金)17:26更新)
陳満咲杜

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■トランプ政権の実行力への不安が、米ドル下落の最大要因

 米ドル安が続いている。

米ドルvs世界の通貨 4時間足
米ドルvs世界の通貨 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルvs世界の通貨 4時間足

 米ドルが米利上げ後に反落したり、米株安を背景に下落したりしているのは、大きく進行した「トランプ・ラリー」に対する反動という視点において、トランプ政権の実行力に対する不安がもっとも大きな要因だと思う。

 オバマケア代替法案の採決が見送られたことに象徴されるように、マーケットがトランプ政権の「現実的妥協」の可能性に備えようとしていることが、米株安、米ドル安をもたらしている、もっとも大きな原因だとみる。

■米ドル&米国株、足元の調整はまだ「初歩」的?

 強硬で不遜な態度で知られるトランプ大統領が、いざ国政運営に入ると、周りをまとめられず、政策を推進できないなら、「トランプ・ラリー」どころか、むしろ「トランプ・ライト」のリスクが大きいのでは…と市場関係者が警戒しているのは確かだ。

トランプ大統領

政策推進がはかどらないトランプ政権のリスクを、市場関係者は警戒し始めている。

(C)Chip Somodevilla/Getty images

 そもそも、「トランプ・ラリー」自体が行きすぎた側面が大きかったから、いまさら大きな声で言えなくても、「オレは高値づかみさせられたのでは」とロング筋がおびえ、戦々恐々としているのが実情だ。

 この意味では、足元の米国株や米ドル全体の調整は、まだ「初歩」的な段階にすぎない可能性がある。

 そして、米国株にしても、米ドルにしても、ロング筋の憂鬱は含み損を抱えていることよりも、実はそこにあるのではないかと推測される。

■「トランプ・ラリー」便乗があまりにうまくいったので…

 換言すれば、トランプ氏が「有言実行」してくれないと、今までのスタンスが180度転換される、というリスクの現実味が増し、一部市場関係者が真剣に「ドテン」の可能性を考え始めているということだ。

 もっとも、金融市場における戦略は、大成功を収めることはあっても、永久に有効といった事例は1つもなかった。言うまでもないが、こういった戦略が存在すれば、市場自体が壊れるから、当たり前のことといえばそのとおりだ。

 しかし、あまりにも長く、またパフォーマンスがよかった戦略につい錯覚を覚えてしまう事例は、枚挙に暇がない。「トランプ・ラリー」に便乗する戦略、すなわち米株買い、債券売り、そして、米ドル買いがあまりにも成功し、また、あまりにも大きな成果を挙げたから、「トランプ・トレード」に錯覚があったとしても、別におかしくなかろう。

 だからこそ、足元で広がっている懐疑、葛藤または恐怖といったセンチメントは、本当のところはむしろ健全な市場心理だといえる。

■トランプ氏の主張の多くは最初から不確実性が高かった

 なにしろ、トランプ氏の主張の多くは最初から不確実性が高く、大型財政支出計画に具体性が欠けるといった批判が多かった。にもかかわらず、マーケットは期待先行で評価してきたから、時間の推移につれ、反動が出るのは自然の成り行きであり、また、なお許容範囲にとどまっているとみる。

 ゆえに、「トランプ・トレード」の失速が確認されていること自体は「健全」な動きであり、「トランプ・ラリー」に対する反動が一段とみられたとはいえ、「ドテン」されるほど深刻化していないと思う。

 言い換えれば、「トランプ・ラリー」に対するスピード調整がある程度延びた方が、逆に「トランプ・ラリー」が完全に終わっていないという可能性を保つことができる。

 この視点から言えば、米国株に比べ、為替市場の状況がより「健全」かもしれない。何しろ、ドルインデックスは2017年年初から調整してきたわけだから、足元で米ドル全面安とはいえ、それは基本的には2017年年初からの調整変動の一環と見なされる。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足

(出所:Bloomberg)

 調整のスパンがだいぶ長くなり、「トランプ・ラリー」に対する懸念が強まる足元だからこそ、実はスピード調整の終盤が近い、といった可能性もある。

■為替市場は今さらトランプ氏の手腕に翻弄されない?

 トランプ大統領の支持率が、また最低水準を更新したと報道される中、ドルインデックスは2月安値をまだ割り込んでいない。このこと自体が1つのサインではないかと思う。

 要するに、「トランプ・ラリー」の行きすぎに対する反動は、2017年年初来からすでに展開されてきたから、少なくとも為替市場は今さら「トランプ氏の手腕に不安」などを過激に織り込んでいく余地が小さいかもしれないということだ。

 このあたりは、テクニカル上の要素をもってこれから検証されるのではないだろうか。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足(出所:Bloomberg)

 上のチャート上に引かれた1と2のラインがメインサポートとなるから、米ドル全面安とはいえ、目先なお強いサポートを維持してくれるのではないだろうか。下放れしない限り、米ドル全体の調整が一服してもおかしくなかろう。もっとも、当面、頭が重い状況は変わらないが…。

■クロス円の見通し修正、一段とスピード調整か

 ところで、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)に対する見通しを、方向転換とまではいかなくても、強気変動に復帰するには時間がかかる、という見方に修正せざるを得ない。

世界の通貨vs円 4時間足
世界の通貨vs円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート: 世界の通貨vs円 日足

 最大のカギは米ドル/円の値動きだが、同通貨ペアの短期スパンは下値余地が示唆されているから、クロス円も一段とスピード調整を続けるのではないかと推測される。

 米ドル/円の分析に関しては、3月22日(水)のレポートをもって説明したい。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

ドル/円は年初来安値を更新している。米株の大幅反落がもたらしたリスクオフ、円買い圧力と化している模様。足許111円関門直前に迫っている値動き、下値余地の拓きを示唆。

本日大きく反騰してこない限り、年初来相場における内部構造が再考されるでしょう。教科書通りなら、上のチャートで示すように、大型ジグザグ変動が形成される可能性が大きい。

昨年9月安値100.07を起点とした上昇波、5波構造を持つ推進波として見做し、昨年12月高値118.66か、今年1月高値118.61をもってトップアウト、もっとも強い第3子波(紫)を完成したであれば、足許までの下落、調整4波と位置付ける。

安値更新を受け、同調整波自体の子波序列(黄)もジグザグ変動として数え、3月高値115.50から最終波動に入ったとみる。同じ序列におけるB波(黄)自体のジグザグ構造も同位置づけの蓋然性を強化していると読み取れる。

A=B(黄)の計算では、これからドル/円の下値打診、109関門を一旦割り込むことを目指す。111円台後半、一転して抵抗ゾーンと果たすなら、強い反騰が期待されにくい。当然のように、ドル/円の見直し、クロス円の見直しにも通じるから、円全般に関するストラテジーを再考したい。

 続きはまた次回に譲るが、要するに、仮にドルインデックスの下値余地が限定的な中、米ドル/円が下値余地を拡大していくならクロス円は総じて芳しくない、という理屈で、性急な判断を避けたいところだ。

 果たしてこのようなロジックが通用するかどうかは、これから検証すべき課題になる。市況はいかに。

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