■特段、米ドルを買う材料がないまま調整が続く
先週(3月13日~)は、15日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)後から米ドルロングのポジション調整が急速に行われました。
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前回のコラムで指摘したように、「本来であれば、金利引き上げの方向性がはっきりしてきているわけであるから、もう少し米ドル高レベルでの推移となっていなければつじつまが合わない」との違和感は変わらず持ち続けています。
【参考記事】
●米利上げ実施。なのにドルは全面安に! 神経質な動きの原因は、トランプ大統領?(3月16日、今井雅人)
しかし、やはり何度もお伝えしているとおり、市場はトランプ政権の行方にまだまだ確信が持てず、「特段、米ドルを買っていく材料がない」まま、米長期金利の動向についてまわるように、米ドル/円は連日、上値を切り下げる動きが続いています。
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(出所:Bloomberg)
■G20や日米財務相会談は市場のテーマとしては材料不足
3月17日(金)~18日(土)にはG20(20カ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議)が独バーデン=バーデンで開催されましたが、コミットされた声明文は大方の予想どおりの結果。
簡単にまとめれば、為替に関する文言は一言一句、前回の中国成都で行われたG20から変更はなく、為替レートに対して何ら問題提起されていないことがわかりました。
そのかわり、米国の要請で前回まで盛り込まれていた「我々はあらゆる形態の保護主義に対抗する」との文言が削除されたと同時に、「我々は、経済成長の追求にあたって、過度の世界的不均衡を縮小し、更なる包摂性及び公正を促進し、格差を削除するために努力する」という文言が付け加えられました。
「自由貿易」から「貿易不均衡是正」へと焦点が移された形となりましたが、あくまでも「経済成長追求」のためという理由づけとなっており、表面的には「米国のため」という一国の主張ではないという配慮も施されています。
同時に開催された日米財務相会談でも、「為替の急変は世界経済の安定に悪影響を与えるとの考えで一致した」ことが表明されましたが、そもそも「無秩序な動きではない為替市場」に注文をつけるワケもなく、こちらもまた「市場のテーマ」とするには材料不足だったといえます。
そんななか、米下院では本日…
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