先週の金曜日は、アジア時間にトランプ大統領が「北朝鮮とは大きな紛争に発展する恐れ」があるといって、にわかに地政学的リスクが高まった。しかしゴールデンウィークとプレミアムフライデーが重なって、日本のマーケットは反応が薄かった。そして大きな値崩れも見られず、ドル円は111円台をキープして海外市場へ。
第1四半期の米企業決算の山場が終わって、ハイテクを始め、多くのセクターでアナリスト予想を上回るものが多かった。それでもまだPER的には買われ過ぎの状態が続いている。そうした高価格の株価を許しているのは、まだ増益に関する期待が先行しているということだ。
もちろん株価を正当化するだけの利益を捻出するだろうことが見込まれているからに他ならない。そこで注目を集めるのが経済活動の全般を表わすとされているアメリカの統計だった。アメリカの第1四半期のGDP速報値が出ることとなっていた。
アメリカのGDPは事前の予想も低かったのだが、結果はさらに悪いものとなった。設備投資は堅調なのだが、個人消費の伸びが著しく低迷。全体のGDPの伸び率もプラス0.7%にとどまった。これではトランプ政権の標榜している成長で財源を補うというシナリオに現実味が遠のくばかりである。
それでもマーケットでのリスク回避の動きは限定的なものだった。米国株は下がるには下がったが、小幅安のみ。私もドル売りで参戦したが、まったくワークしなかった。それほどの値幅でもないのに、短く3回ほども損切りさせられた。
先週はフランスの選挙が終わって、ドル円もユーロ円も跳ね上がって始まった。ドル円は110円台で始まり、109円台に押されはしたものの、111円台まで高値を見て、ほぼその高値近辺で週を終えている。週初に明けたマドは埋めきれていない。
テクニカル的にはドル円上昇のシグナルがいろんな方面から出てきても不思議ではない状況となった。一方でユーロドルも同じ形状を喫している。だからドル相場の問題ではなく、リスク相場の問題なのだ。
今週は後半に雇用関連のデータも出るので、日本が連休中にマーケットの変動が期待される。また日曜日にはフランスの決選投票もある。週の前半はテクニカルムーブ、後半はファンダメンタルズ重視という展開になるのだろう。
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