昨日はイギリスの総選挙の出口調査の結果が出てきた瞬間に、為替相場でポンドが200ポイントほど下がった。しかし市場の反応としては、それだけであった。つまり悪影響をマーケットに及ぼしていないのである。
確かに結果も想定の範囲内であって、何のサプライズもない。後は首相が辞任するのかとか、どこと連立政権を組むのかなどの政治的マターが残されただけであった。かえって安心からドル円が上がっていき、アジア時間では底を固める展開となった。
私としてはポンドの一段安する瞬間を待ち受けていた。またそれに伴って同じく欧州通貨であるユーロドルも下向きに動くものと考えていた。しかしポンドの動きは早朝の下げだけに終わってしまい、その後は1.27台でしか推移していない。ぜーんぜん悪魔の通貨らしさを発揮していないのである。
海外市場ではドイツ株もイギリス株も堅調に推移。ドル買い圧力は強く、昼間の高値であった111.35レベルをも突破してきた。明らかにたまっていたショートポジションのメクリ上げなのだろうが、それが市場全体のリスクテークを導いた。
米国株は小じっかりでスタートして、ますますイベント通過後の不透明要因の払しょくという形となっている。しかし夜中に大手ブローカーが著しく値の高いハイテク株に注意喚起をしたので、それを契機にナスダック指数が急落。市場のムードは暗転した。ドル円も60ポイントほども下げを演じ、そのままドルの戻りを見ないでニューヨーククローズを迎えた。
今週は日米英の金利会合があるなど、重要なイベントが多いとされている。しかし結果はほぼ市場に織り込み済みになっており、それを踏み外すことはないだろう。アメリカは淡々と25ベーシスの利上げをし、日銀は何もしない。フランスの議会選挙も2回に分けて行われるが、マクロン氏の新党が第1党になるものだと考えられている。
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