■金利正常化という点でユーロに優位性あり
そして、金利正常化という点においては今晩(7月20日)のECB理事会を控えたユーロに優位性があります。
そもそも、ユーロが反発し始めたのが3週間前の6月27日(火)に行われたECBフォーラム。
【参考記事】
●強烈なレジスタンス突破したユーロ/円は135円へ! ドラギ総裁発言でユーロ急騰!(6月29日、西原宏一)
このフォーラムでドラギ総裁が下記のようにコメントしたことからユーロが大きく反発。
(1)デフレ圧力はリフレに変わった
(2)物価下押し圧力は、一時的要因
このコメントにより、マーケットは早ければ9月のECB理事会でテーパリング決定。スタートは2018年1月といった憶測が台頭し、ユーロを大きく押し上げます。
この意味においては、今晩(7月20日)のドラギ総裁の会見に注目。
仮に発言が楽観的過ぎれば、債券利回りを高過ぎる水準にまで押し上げることになりかねません。
逆に厳し過ぎる印象を与えれば、失望でユーロが急反落しかねません。
■ユーロ/米ドルは、中長期ではすでにボトムアウト
ただ、相場ですので、一時的は調整は避けられませんが、ECBが金利正常化に向かっていることは確か。
以下は、ユーロ/米ドルの月足チャートです。
(出所:Bloomberg)
(※編集部注:上記チャートではボリンジャーバンドを掲載している。ボリンジャーバンドでは、月足であれば、20カ月移動平均線が用いられるのが一般的だが、今回は200カ月移動平均線を使っている)
長期に渡ってユーロ/米ドルは、月足の1シグマ(σ)の中での乱高下ですが、今回も、この-1シグマのラインを明確に下抜けることはなく、ミドルラインに向けて反発中(ボリンジャーバンドは1シグマに変更しています)。
このチャートから読み取れることは、中長期のユーロ/米ドルはすでにボトムアウトしたということ。
ただ、対米ドルよりも注目はゼロ金利固定の円が対象のユーロ/円。
過去のコラムでもご紹介させていただきましたが、フランス大統領選を無事、乗り越えた欧州に関しては、本邦からの資金流入も増えており、ユーロが底堅いことは変わらず。
【参考記事】
●メルケル発言よりも本邦勢の欧州投資がユーロに追い風! 130円突破なら135円へ(5月25日、西原宏一)
ユーロ/円の129~130円はレジスタンスが密集しているエリアでもあるので上げ渋っていますが、ユーロ/円はまだ上昇過程にあり、135円に向けて続伸中。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
中央銀行の金融政策の相違から始まったユーロ/円の上昇相場に注目です。
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