昨日はアジア時間でドル円は110円台の後半で小動きだった。111円台に戻すのが先か、もう一度109円台に差し込むのかの攻防にも見えたが、基本的にマーケットに動意は薄い。金曜日の雇用統計に向かっての様子見が続いているためだ。欧米もサマーバカンスに入ってしまっているので、市場参加者からの意欲あるフローの出し入れも期待できない。
さて安倍首相は内閣改造を行ったが、顔ぶれは事前に取りざたされたとおりの内容であった。まったく変わり映えがなく、サプライズになるものも何もなかった。「仕事しよう内閣」と銘打っているが、これは70年代の福田首相のマネをしているのか。それとも「仕事しよう」とわざわざ言わないといけないということは、やはり今までお友達と遊んでいたことを認めているのか。
どちらにしても怪しい改造内閣の船出となったようである。肝心の内閣支持率の反転は期待できそうもない。また外人の記者にも質問されたように、「人づくり革命」の担当大臣はどうやって訳すのか。政権与党に座っている連中が「革命」と言ってしまっていいのか。
革命したいならば何で最高権力者をしているのかというのが普通の疑問だろう。耳障りの良さのよさそうな言葉を並べただけという、足元が地についていない知恵足らずのところが露呈してしまっている感じがする。
欧州時間ではドル円が下げた。別に安倍首相の会見が失望だったわけでもない。その契機となったのはBOEの金利会合だとも言い切れないのだが、ともかくもBOEのインフレ報告の中で成長率見通しが引き下げられたことが、マーケット全体のリスク許容度を押し下げたのは事実だろう。
ドル円も110円台の前半まで押し込まれて、上値追いの目はなくなった。私も110.50割れから売り参戦。実に重い腰だ。それもそのはずで最近の低ボラティリティに引きずられてしまっている。
私は110.14でドル円を買い戻したが、ドル円は再び109円台に突入もした。すぐにドル円は反発したが、ニューヨーククローズ間際にモラー特別検察官がロシア疑惑のための大陪審員を選定したということが伝わってリスクオフ。ドル円は109円台に押し込まれて、東京時間を迎えることとなった。
今晩は雇用統計。しかしあまりダイナミックな動きは期待できそうもない。なぜならば9月会合での金融政策に影響を与えるのは9月発表の雇用統計になるからだ。しかし需給的にドル円の下値不安が残っている。ずっとドル全面安も続いている。ドル相場が一段安するかどうか。ドル円で109.80を下回ってきたら、もう今年の最安値である108円台の前半が視野に入る。
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