昨日は東京時間でもランチタイムあたりからリスク回避の動きが強まったが、ドル円は109円台の前半までしか下がらなかった。むろん私もドル円ショートでついていきたいところなのだが、勢いも感じられないので手が出しにくい。
かといってこのまま108円台に突入したら、いつも言っているように何度も止められている108円台だ。テクニカル的にもサポートを形成しており、そこから突込み売りを仕掛けてショートに振るのはいかにもまずい。
月曜日がアメリカ休みだったということも、市場の消化具合を不満足にしている要因でもあろう。そう考えて、早くアメリカ勢にも出張ってきてもらって、リスク回避の度合いを見極めたいところだ。
ニューヨーク序盤ではドル円もようやく下攻め開始かと思われた。私も遅まきながらも109.22で売り参戦。余りにもコストがよろしくないので、もう108円台に入ったらすぐにでも買い戻したくてウズウズしている感じだ。しかし下げ渋った。
ドル円はなかなか109円ちょうどを割ってこない。株は下がって始まったものの、ビッドが強かった。それは過去の例を持ってくるまでもなく、地政学的リスクで下がったところは株を買っておけばよいのだという教訓が生きているからである。
確かに9.11テロのときも、イラク戦争のときもそうだった。ロンドンテロでもスペインテロでも同じ。イスラム国が伸長してきてからも同じであったからだ。それでドル円も下げを中止した格好となった。
ニューヨーク市場を揺さぶったのは地政学的リスクではなく、別の原因だった。セッションズ司法長官の説明によると、オバマ政権で宥恕されていた移民の子供も、強制退去の対象にするという。移民問題に手をつけたということで、マーケットは一斉にリスク回避の動きに出た。
市場不安が高まってきたからである。特に移民を積極的に登用しているアップルやグーグルからは反発の声が出てきそうだ。ドル円も108円台に突入してきて、私もようやく利食いの買い戻しに励むことができた。取れたといっても、掛けた時間の割には実に小さい値幅だけ。
ドル円の下げはその後も止まらず、今日の東京時間も含めて108円台の中盤まで下げてきている。しかしうまい具合にいつもここで止まる。今回こそは下抜けしてくれてもよさそうなものだが、失業率が悪くて、ブレナード理事が利上げに反対しても、北朝鮮が核実験をしても、まだ足りないのだろうか。
後はじっくりと下ブレークするのを待つだけのような気もするのだが。トレーダーとしては完全に今年の安値を下回ってくるのを確認しないと、追撃売りはできないのである。なんとももどかしい。
日本時間 16時30分
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