昨日のアジア時間ではドル円が108円台の中盤だった。今年の最安値が108.14であって、そこがテクニカル的にサポートされている。いつ下サイドを攻め始めるのかが注目されていたが、昨日もブレークすることはできなかった。
4月に今年の安値を付けて以来、これで何度目だろうか。やはり108円台は買いだったということになる。少なくとも108円台まで下がってきたからと言って、突っ込み売りはしてはいけない状態がまだ続いている。
海外市場ではムードは一変して、楽観論が台頭した。それはトランプ政権がハリケーン対策のための予算措置を施さないといけないので、議会と手を握ったからである。債務上限の引き上げ問題が、3か月ほど先延ばしになったのだ。
それをマーケットは好感してリスクテークに傾いた。米国株も上昇し、ドル円も109円台に戻してきた。トランプ政権の運営能力に疑問符がつく中で、久しぶりの前進を見たような感じである。
しかし9日に北朝鮮がミサイルを発射するかもしれないという懸念は拭い去れない。韓国の首相も警戒すべきだと発言している。よって週末にかけての地政学的なリスクの高まりに対する備えも必要なので、積極的なリスクテークには動けないものと思われる。
そうした中でドル円も上値トライはするものの、高値追いを喜んでしていけるほど、マーケットのリスク許容度の回復は戻ってきてはいない。
またトランプ大統領の発言で、韓国の態度のことを「物乞い」だと言っているのも気にかかる。今の政権は確かに圧力よりも対話を重視しているが、同盟国なのにこのような形で批判してよいものだろうか。
トランプ大統領の真意はまた別のところにあるのかもしれないが、北朝鮮に付け入られるスキを与えているだけのようにも見える。そしてまたそれが市場の混乱の度合いを深めることになるかもしれない。
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