(「衝撃の13分間。崩れ落ちたトルコリラ/円の真相とは? 暴落の震源地は日本にあった!?のかも…(1)」からつづく)
■どんどん積み上がっていった建玉数量が丸わかり
そして、これだけではないのだ。
海外投機筋が舌なめずりしそうなデータが、この日本ではごていねいに公開されているのである。
それがくりっく365におけるトルコリラ/円の建玉数量のデータだ。

(出所:東京金融取引所の発表データより、ザイFX!編集部が作成)
ここ数カ月、くりっく365におけるトルコリラ/円の建玉数量(※1)はグングン積み上がっており、10月6日(金)には約30万枚(※2)に達していた。このデータは律儀に毎日公開されており、これを見ると、投機筋が売り崩したくなる気満々になってしまったのではないかと想像したくなるのだ。
(※1 この「建玉数量」は買い建玉なのか、売り建玉なのか、明記されていないのだが、おそらく100%近くが買い建玉であろうと推測される)
(※2 くりっく365のトルコリラ/円の場合、「1枚」とは「1万通貨」を指す)
もう1つ、トルコリラ/円の建玉数量に加え、日足終値ベースのトルコリラ/円相場を重ね合わせたチャートも作ってみた。

(出所:東京金融取引所の発表データより、ザイFX!編集部が作成)
これを見ると、まず、2015年5月のくりっく365へのトルコリラ/円上場直後に人気が沸騰し、数カ月間で建玉数量が一気に増加したことがわかる。
その後はトルコリラ/円が長期下落トレンドに入ってしまい、建玉数量がどんどん積み上がることはなかったが、逆にそれだけの下落トレンドだったにもかかわらず、建玉数量はおおむねレンジで推移しており、買いポジションがしぶとく残り続けていたことがうかがえる。
そして、2017年に入って、どうもトルコリラ/円相場に底打ちの気配が出てくると、建玉数量はどんどん積み上がっていったということなのだった。
■くりっく365のトルコリラ/円のスペックはまずまず悪くない
実際、くりっく365のトルコリラ/円のスペックはまずまず魅力的なものに思える。

くりっく365の公式サイトではトルコリラ/円、メキシコペソ/円、南アフリカランド/円などが大きく宣伝されているのが目につくが、そこに書かれているトルコリラ/円のスワップ金利(スワップポイント)は1万通貨あたり98円(2017年9月の平均値)だ。
このスワップ金利の数値はFX業界最高水準ではないものの、まずまず良い水準だ。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:トルコリラ/円が取引できるFX会社はここだ![トルコリラ/円スワップ金利の高い順]
また、スプレッドについては、くりっく365は原則固定制ではなく、変動制となっているため、ザイFX!のトルコリラ取扱い会社比較コーナーでは、現在、その数値を掲載していないが、くりっく365公式サイトでは4.1銭という数字が掲載されている。これは2017年9月の平均実績値とのことだ。
こちらもザイFX!のトルコリラ取扱い会社比較コーナーで比較してみると、FX業界最狭水準ではないものの、まあまあ悪くない数値だとわかる。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:トルコリラ/円が取引できるFX会社はここだ![スプレッドの狭い順]
■トルコリラ/円が米ドル/円に次ぐ第2位の建玉数量だって!?
やや寄り道した。くりっく365におけるトルコリラ/円の建玉数量の話に戻ろう。くりっく365におけるトルコリラ/円の建玉数量が約30万枚といっても、それがどれだけスゴいことなのか、今一つピンと来ない人もいるかもしれない。
そこで、次に見てみたいのはくりっく365における2017年9月の通貨ペア別建玉数量のデータだ。以下の円グラフをご覧いただきたい。

(出所:東京金融取引所の発表データより、ザイFX!編集部が作成)
なんと、トルコリラ/円は18.99%で堂々の第2位!!
さすがに米ドル/円にはかなわないものの、くりっく365におけるトルコリラ/円は米ドル/円に次ぐナンバー2のポジションにあるのだ。ユーロ/円、豪ドル/円、英ポンド/円、ユーロ/米ドルといった主要通貨ペアよりも、トルコリラ/円の建玉数量が多いのである。
もう1つ、くりっく365の通貨ペア別建玉数量ではなく、通貨ペア別取引数量についても見てみよう。こちらも2017年9月のデータだ。

(出所:東京金融取引所の発表データより、ザイFX!編集部が作成)
取引数量でのトルコリラ/円のシェアは13.72%となっている。建玉数量に比べると小さい数字だが、通貨ペア別でシェア第2位というポジションはこちらでも変わらない。
【参考記事】
●くりっく365のトルコリラ/円が絶好調!! 豪ドル/円を抜いて、取引高第3位に!
■日本の店頭FXでのトルコリラ/円の取引金額は0.2%だけ
このくりっく365におけるトルコリラ/円のシェアはどれだけ風変わりなことなのか、他のデータと比較して確認したい。
今度は金融先物取引業協会(金先協会)が発表した、2017年9月の日本の店頭FXにおける通貨ペア別取引金額のデータを見てみたい。

(出所:金融先物取引業協会のデータより、ザイFX!編集部が作成)
こちらを見ると、米ドル/円が約74%と圧倒的シェアで、以下、英ポンド/円、ユーロ/米ドルと続いている。そんな中、トルコリラ/円は第9位で、割と多い感じもするが、それでもシェアは0.2%ほどにすぎない。
くりっく365のデータは取引数量であり、金先協会のデータは取引金額なので、1リラ=30円程度と絶対的なレートが低いトルコリラ/円の数値はその分、低くなると考えられるが、そのことを考慮しても、くりっく365におけるトルコリラ/円のシェアが異様に大きなものになっていることがわかるだろう。
ちなみに金先協会ではトルコリラ/円については、建玉金額のデータは公表されていない。
さらに、世界の外国為替市場において…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)