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■米ドルは2018年年明けも軟調に推移
新年早々、やはり気になるのは米ドル全体の弱気推移だ。昨年(2017年)、ドルインデックスは10%に近い下落率を記録、2018年年明けからも軟調に推移し、執筆中の現時点では91.80の水準に落ち込み、2017年9月安値を割り込む勢いである。
(出所:Bloomberg)
NYダウが昨日(1月4日)、はじめて2万5000ドルの大台に乗せたこともあって、米ドルの弱気変動が一層目立つように見える。
当然のように、ユーロは米ドルの対極としてもっとも恩恵を受け、昨日(1月4日)、2017年9月高値を更新する寸前まで迫った。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ここから一時、高値更新があってもおかしくないと思われるが、問題は、これからどれぐらい上昇余地を拡大するかだろう。
何しろ、ユーロ/米ドルの上昇は米ドル全体の下落を意味するから、米ドルの下げ止まりがなければ、昨年(2017年)の米ドルベア(下落)トレンドが延長され、さらに大幅に下落余地を拡大させる恐れがある。
■ユーロは1.15ドルを下回らない限りは強気を維持か
もっとも、ユーロの本格的な上昇は2017年夏場からだった。
2016年冬にいったん2015年3月安値を割り込んだものの、その後、切り返し、「底割れ」を回避したとみられた。が、1.1450~1.15ドルの節目前後の水準を上回れるまで、切り返しがあっても、あくまで安値圏でのレンジ形成にすぎないと思われた。
月足で見ればわかるように、2015年8月や2016年5月のローソク足の「上ひげ」部分を除き、ユーロ/米ドルはほとんどそれ以下の変動に留まっていたからだ。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 月足)
しかし、ユーロは2017年夏場にて1.1450~1.15ドルの節目前後の水準を上回り、大型レンジの上放れを果たした。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
そして、2017年11月安値が1.1554ドルに留まったことから考えると、明らかにかつてのレンジの上限で下げ止まり、そして、これが目先の高値再トライにつながったわけだ。換言すれば、1.15ドルの節目を下回らない限り、ユーロはなお強気変動を維持し、その一方、米ドル全体は弱気構造になると言える。
では、2015年3月から2017年夏場まで形成された…
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