■主要クロス円は新たな変動レンジへ移行!
円高が進行している。執筆中の現時点で、米ドル/円は再び106円の節目にトライ、主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)もそろって下値打診を試している。
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ユーロ/円をはじめ、クロス円の大逆転は本コラム(2月16日、23日コラムをご参照)にて繰り返し指摘したとおりだが、ここに来て2つのポイントを指摘しておきたい。
【参考記事】
●過大評価されるユーロと過小評価される円、是正する道はユーロ/円の大逆転のみ!(2018年2月16日、陳満咲杜)
●米ドル安・ユーロ高基調が終わっても、ドル/円は安値圏での保ち合いにとどまる!?(2018年2月23日、陳満咲杜)
まずは、ユーロ/円、英ポンド/円や豪ドル/円がそろって新たな変動レンジに入っていること。もちろん、その変動レンジは「外貨安・円高」のレンジである。
■ユーロ/円はメインレジスタンスゾーンを割り込む
ユーロ/円は、2017年8月高値や11月安値で形成されたサポートゾーンが最も重要であったが、完全に下放れした以上、トップアウトを認定することはもちろん、ここからの変動レンジも下方修正されるだろう。
(出所:IG証券)
今年(2018年)1月安値は133円の節目前後に位置している。上放れできず、昨日(3月1日)の安値打診につながったわけだから、新たなレンジの上限は133円近辺と見なすのが適切であろう。
レンジの下限は前回のコラムでも強調したように、126円台~128円台にまず据え置くが、場合によっては上限の下方修正も十分あり得るだろう。
【参考記事】
●米ドル安・ユーロ高基調が終わっても、ドル/円は安値圏での保ち合いにとどまる!?(2018年2月23日、陳満咲杜)
何しろ、元々のメインサポートゾーンが破れたのだから、一転してこれがレジスタンスゾーンと化してもおかしくない。ここから切り返しがあっても131円台後半~132円台前半に留まる可能性が大きい。
■英ポンド/円はサポートゾーンとサポートライン両方割り込む
英ポンド/円はより大幅な下落を達成したので、週足で見ないと全体像をつかめない。
2016年12月高値、2017年5月、7月高値で形成された元々のレジスタンスゾーンが、2017年10月や11月安値で再確認されたわけだから、ここがメインサポートゾーンとして重要な意味を持つことが示されていた。
よって、足元ではそのゾーンを大きく割り込んでいる以上、ブル(上昇)トレンドの終焉、また、変動レンジの下方修正は当然であろう。
(出所:IG証券)
2016年安値から引かれるメインサポートラインを大きく下回ったことも然り。新たなレンジは、143円台後半(2016年安値を起点とした全上昇幅の38.2%反落位置)~148円の節目前後とするのが適切であろう。
■豪ドル/円の新レンジは79円前半~83円前半か
豪ドル/円も週足で確認しておきたい。
豪ドル/円は2017年11月安値を大きく割り込んだ以上、2017年9月高値を「ヘッド」とする「ヘッド&ショルダーズ(※)」のフォーメーションを完成させたと言える。そして、この「ヘッド&ショルダーズ」はスパンの短いパターン(黄色の曲線で表示)やスパンの長いパターン(黄緑色の曲線で表示)の両パターンを示唆している。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダーズ」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされているもの。チャートの形を人の頭と両肩に見立てて、「ヘッド&ショルダーズ」と呼ばれている。仏像が3体並んでいるように見えるため、「三尊型」と呼ばれることもある)
(出所:IG証券)
したがって、豪ドル/円はこれからさらに大幅な下値余地を拡大してもおかしくないから、近々の変動レンジを79円前半~83円前半というように、下方修正するべきかとみる。
主要クロス円における変動レンジを下方修正する必要があれば…
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