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サプライズ利上げでトルコリラが上昇!
トルコ中銀の引き締めはまだまだ続く!?

2018年06月08日(金)13:51公開 (2018年06月08日(金)13:51更新)
ザイFX!編集部

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■トルコ中央銀行がまたしても利上げ!

 2018年6月7日(木)、トルコ中央銀行(TCMB)は定例の金融政策決定会合で、トルコの主要政策金利にあたる1週間物レポ金利を1.25%幅引き上げ、17.75%にすることを決定しました。

 先日、トルコ中央銀行が、いろいろな事情で複雑になっていた金融政策の簡素化を発表するとともに、それに合わせて実質的な利上げを実施したことは、ザイFX!でもお伝えしたとおりです。

【参考記事】
利上げしたのにまた別の金利を利上げ!? 3種類?4種類? 複雑なトルコ政策金利を解説

 その金融政策の簡素化が発表されたのは5月23日(水)。実際に新たな枠組みでの金融政策運営が始まったのは、当初予定されていた6月1日(金)よりも、少し早い5月28日(月)でした。

 昨日、6月7日(木)の金融政策決定会合は、あらかじめ決まっていた定例の会合ですが、新しい金融政策運営がわずか数日前に始まったばかりということもあり、この日の政策の変更を予想していた市場参加者はほとんどいなかったようでした。

 市場参加者の予想を覆すサプライズ的な利上げだったことから、為替市場ではトルコリラが上昇しました。

トルコリラ/円 1時間足
トルコリラ/円 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 1時間足

米ドル/トルコリラ 1時間足
米ドル/トルコリラ 1時間足

(出所:Bloomberg)

 そもそも、これまでトルコでは、独裁色の強いエルドアン大統領が利上げに否定的な姿勢を示していたため、市場参加者の間ではトルコ中央銀行が思ったように利上げできないというのが大方の見方でした。

 こうした中で、ここ最近は緊急利上げや金融政策の枠組み変更などが相次いでいますが、これはトルコ中央銀行がエルドアン大統領に遠慮しなくなったということなのでしょうか?

 どうやらそうではなく、ここのところのトルコリラの下落でトルコ国内の景気悪化を懸念したエルドアン大統領が、方針を転換したと見られているようです。

■利上げ幅はすべて1.25%。メインの金利は17.75%へ

 冒頭でお伝えしたとおり、トルコ中央銀行が現在、メインの政策金利と位置づけている1週間物レポ金利は、16.50%から17.75%に引き上げられました

 そして、市場金利の事実上の上限となる、金融機関が中央銀行から資金を調達する際に適用される「翌日物貸出金利」は18.00%から19.25%へ、市場金利の事実上の下限となる、金融機関が資金を中央銀行に預け入れる際に適用される「翌日物借入金利」は15.00%から16.25%へ変更されました。

 さらに、5月までは実質的な上限金利とみなされていた、第4の政策金利である「後期流動性貸出金利(後期流動性ウィンドウ金利)」は19.50%から20.75%へ引き上げられ、それぞれの金利が1.25%幅ずつ利上げされたということになります。

トルコの主要政策金利の推移

※トルコ中央銀行のデータを基にザイFX!が作成

 トルコ中央銀行が金融政策運営で使う各政策金利の役割については、以下の【参考記事】で解説していますので、ぜひチェックしてください。

【参考記事】
利上げしたのにまた別の金利を利上げ!? 3種類?4種類? 複雑なトルコ政策金利を解説

■まだまだ利上げの余地あり!?

 以下では、トルコ中央銀行が利上げの決定と同時に発表した声明文の中から、今後の金融政策を見極めるうえでも大事だと思われそうなところをいくつか意訳して、箇条書きで紹介します。

●最近発表された経済データは、経済活動を安定させる傾向にあることを示している。内需はより緩やかだが、外需は依然として強い

●需要の見通しが緩やかであるにもかかわらず、高水準のインフレとインフレ期待が、依然として価格行動にリスクをもたらしている

●委員会は、物価の安定を支えるために、金融の引き締めを強化することを決定した

インフレ見通しの大幅な改善が達成されるまで、引き締め的な金融政策運営が続く見通し

●インフレ期待、価格の設定行動、インフレに影響を与える要因などを緊密に監視して、必要に応じて追加的な金融引き締めを行うことが可能

 要するに、トルコの物価はいまだに高いので、トルコ中央銀行が目標とする水準に達するまでは、必要に応じて利上げを続けていく可能性が高いということです。

 ちなみにトルコ中央銀行の中期的なインフレ目標は「+5±2%」。これは、5%を中央値に、目標の下限を3%、上限を7%に設定しているという意味です。

 一方、6月4日(月)に発表されたばかりの、トルコの5月消費者物価指数は、前年比で12.15%となっています。しかも、4月の10.85%から上昇しています。

トルコのインフレ率の推移

※トルコ統計局のデータを基にザイFX!が作成

 そう考えると、トルコ中央銀行の利上げは、今後も続いていくとも考えられそうです。

■6/24に大統領選。状況次第では緊急理事会も?

 トルコ中央銀行の次回の金融政策決定会合は、7月24日(火)に開催される予定となっています。

 ただ、そのちょうど1カ月前となる6月24日(日)には、トルコで大統領選挙があります

 再選を狙うエルドアン大統領は、これまで高金利を「悪」と言い切るほど、利上げに拒否反応を示していました。先ほどお伝えしたとおり、方針転換したとも見られていますが、再び大統領になれば、中央銀行への関与を深めるとも発言しています。

 6月の選挙以降、トルコではこれまで以上に、大統領に権限が集中することが決まっています。独裁色の強いエルドアン大統領が再選するのかどうか、世界中から注目を集めています。

 選挙後に、トルコ国内で混乱が生じたり、中央銀行の独立性が損なわれるようなことになれば、ここのところ、ようやく下げ止まりの兆しが見えつつあるトルコリラにとっても、大きな打撃になるかもしれません。

トルコリラ/円 日足
トルコリラ/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 日足

 トルコリラ安→インフレ上昇の流れを断ち切るため、トルコ中央銀行が7月24日(火)の定例会合を待たずに、緊急会合を開いて政策金利の変更を決定する可能性も考えられます。

 トルコの今後の動向には、十分に注意しておきたいですね。

(ザイFX!編集部・堀之内智)

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