先週の金曜日はアメリカの雇用統計であった。時期的にも注目度は薄い。すでに日銀の金利会合も終わっていたし、また当のFOMCも終わったばかりである。この短期間で金利を取り巻く環境が激変したとも思えない。
また次に利上げが予想されるところの9月までは、まだ間がある。それに加えて8月に入って欧米はいよいよサマーバカンスときているので、市場参加者が少なくなるのはいなめない。
アジア時間でも為替相場は小動き。中国株が連日の大幅安をしていたので、そちらの方が気になる程度。しかし雇用統計に敬意を表しての様子見が続いた。株価もダイナミックな動きは示さず、しかるに円相場も安定している。
ニューヨーク序盤までの間は、ドル円はおおむね111.60~111.70での狭い動きとなった。夏休みを意識している訳ではないが、私自身も乗り気がない。いちおう雇用統計のデータを見て、直後の値動きを確認はするが、よほどのことがない限りポジションを取ることはないだろうと想像がつく。
さて結果は就業者数が予想を下回った。18万から20万の間の増加が見込まれていたところ、15万人台にとどまった。確かにこの材料で最初のアクションはドル安・株安の方向に向いた。
しかしそれも3分ほどだけだった。それほどに関心が集まっていなかったのだろう。すぐに雇用データの結果を消化したマーケットは、今度はテクニカル重視の展開となっていった。
ドル円も軟化してきたので、結果としてユーロ円をはじめとしてクロス円が安くなってきた。しかしポンドドルが1.30台を割りそうで、なかなか割れない。それが間接的にユーロドルの下支えとなっている。
それでユーロ自体がサポートされていたのだが、最終的にはニューヨーククローズに向けて押し込まれ、ユーロドルもユーロ円も安値引けの形となった。
今週は経済イベントが少ない。アメリカのPPIや小売売上高なども発表されるが、雇用統計と同様に注目度は薄いものとなろう。また市場での反応も限定的となりそうだ。日本もお盆休みに入るし、基本的には積極的にポジションを作るには適さない週となりそうだ。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)