■米ドル高は、懐疑的な見方の多さに比例して長続きする!
この見方は米ドルの対極として位置づけされるユーロ/米ドルでみると、一番わかりやすいだろう。
プライスアクションの視点では、10月16日(火)のサインがもっとも重視されるから、詳細について、10月17日(水)のレポートをもって説明したい。本文は以下のとおり。
(出所:FXブロードネット)
ユーロ/ドルの切り返し、昨日の高値をもって完成された可能性が大きい。根拠は以下の通り。
まず、GMMAチャートにおける抵抗ゾーンや9月高値を起点とした全下落幅の半分押しに合致していたこと。
次に、10月12日安値を下回ったこと。同安値の割り込み、昨日罫線の「スパイクハイ」の意味合いを証左したのみではなく、昨日高値打診自体が「フォールス・ブレイクアウト」の可能性を示唆。
なにしろ、12日、15日で「インサイド」のサインを点灯、昨日同サインの上放れを一旦果たしたわけだった。しかし、結果的に反落してきたので、同上放れ自体が「ダマシ」であることを証左したわけ。ちなみに、MACDのサインもベアトレンドの継続を示唆。
総合的にみると、これから早期昨日の高値を更新しない限り、ユーロ/ドルは続落、またベアトレンドを推進してくる蓋然性が高いと思われる。
ドルインデックスの見通しと同じく、ユーロ/米ドルは早晩、2018年年初来安値を下回るだろう。米ドル高の進行は、米ドル高の継続に懐疑的な見方の多さと比例して、実に息の長いトレンドになりやすいかと思う。
■米ドル/円はメインサポートラインを維持している
米ドル/円の方は、株式市場の大波乱があったにもかかわらず、2018年3月安値から引かれているメインサポートラインを維持していることが見逃せない。
(出所:FXブロードネット)
同サポートラインが維持される限り、米ドル/円のスピード調整があっても限定的で、2018年3月安値を起点とした上昇波の継続が想定される。
ゆえに、ユーロ/円など主要クロス円の反落は外貨安が主因で、円高の傾向があっても受動的だと判断される。
リスクオフの円高ではない以上、やはり下値余地があってもガンガン拡大していく状況ではないから、前々回のコラムで指摘したように、基本的には大型保ち合いの範疇に留まるだろう。
【参考記事】
●ユーロ/円の値動きで今後の市況がわかる!? リスクオン継続で株高・円安の見通しは不変(2018年10月5日、陳満咲杜)
■日経平均年内2万5000円突破、米ドル高はむしろこれから!
中国情勢が不安定で、中国株式市場の調整は長引く可能性があるものの、前述のようにもう終盤に入っており、そろそろ反騰してくるだろう。
本格的なリスクオフでない限り、いったん底打ちが確認されれば、反騰も速いかと思われ、日経平均が2018年の年内に、2万5000円の大台を突破することを引き続き有力視する。
(出所:Bloomberg)
この見方は、やはり、米ドル/円の見通しとリンクしてみないと説得力がない。ここで強調したいのは、米ドル/円の内部構造だ。
2015年高値からの大型トライアング型保ち合い、先月(9月)にてやっと上放れを果たしたばかりなので、米ドル高のモメンタムは、むしろこれからだと言える。
(出所:FXブロードネット)
株式市場の大波乱があっても、米ドル/円の値動きが限定的だった本質的な要因は、そこにあるのかもしれない。
このあたりの検証はまた次回、市況はいかに。
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