■さらなる株価大幅下落の可能性はかなり低下
米国の株価急落に端を発した金融市場の混乱は、その後、さらに拡大することはなく、米国の株価は、やや値を戻してきています。今後、大幅に下落していく可能性は、かなり低くなったと見ています。
(出所:Bloomberg)
ただ、直近でも、米国の10年物国債の利回りは、3.25%を超えてきており、株価の重しになってくることは、十分に考えられます。
(出所:Bloomberg)
強気相場への回帰というのも、なかなか難しいのではないでしょうか。
【参考記事】
●NYダウ急落は下落相場の始まりではない!? 想定どおり調整のドル/円は111円台を買い(10月11日、今井雅人)
●日本株は秋のバーゲンセール!? 株安は一時的、米ドル/円は115円突破も視野に!(10月12日、陳満咲杜)
■日本も為替問題の対象に!?
先週末(10月13日)、ムニューシン米財務長官が、かなり刺激的な発言をしました。
日本との通商交渉において、「為替問題は同交渉の1つである」と明言したのです。
長官は、「これからの貿易交渉ではどの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはない」と、日本を特別扱いにはしないことを明らかにしました。
ムニューシン米財務長官は、為替問題で日本を特別扱いしないと明言。日本側は完全に梯子を外された格好となってしまった… (C)Bloomberg/Getty Images
日本側は、米国との交渉は、主に関税中心であり、それ以外は議論にはならないと発表していただけに、米国側から梯子を外された形です。
このことに、週明け(10月15日)の金融市場が、どう反応するのかに注目が集まっていました。
■なぜか下がらなかった米ドル/円…
ところが、週明け、10月15日(月)の東京市場は、少し不可思議な動きをしました。
まず、日経平均が、このムニューシン米財務長官の発言を嫌気して、下落しました。円高圧力がかかって、輸出企業にマイナスの影響が出ることを懸念したためです。
(出所:Bloomberg)
しかし、不思議なことに、米ドル/円はあまり下がらず、全体的にも、若干の円高にしかなりませんでした。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
その後、海外市場に移ってから、やや円高に向かったのですが、それでも値幅は、あまり大きいものではありませんでした。
これは、何を示唆していると考えればいいのでしょうか? 恐らく…
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