先週の金曜日はドル円は114円ちょうどよりもちょっとだけ下、ユーロドルは1.13台の中盤でアジア時間を過ごした。為替相場の動きは静かだが、ドルの全面高で今年の最高値水準に位置している。
ドル円の高値は年初につけた114.70あたりだし、ユーロドルは1.13ちょうど近辺だ。いつ新高値を突破してもおかしくはない状況である。 ただ今年の最高値というのは重要なテクニカルポイントでもある。
つまり引っかかるのである。ドル売りの絶好の場とされるのである。だからそう簡単には抜けない。したがってとれる作戦としては、そのドル最高値水準のちょっと手前でドル売りをしてみて、抜けたらドルロングに転じるという方法がまともである。
抜けなければそのとき作ったドルショートがワークしているということであり、いつでも利食い態勢に入ればよいということになる。ドルが高くなってくるとドル買いでついて行きたくなるが、そこは我慢する必要がある。自分のビューを捨ててでも、逆張りが慎重な攻め方だということになる。
金曜日のうちはニューヨーク時間に至ってもドル円は114円台に乗せきることができなかったが、ユーロドルはいちおう少しの下押しもやって1.1319まで安値をつけている。やはり一撃では抜けないようだ。
ニューヨーク時間の材料としいえばPPIがコア部分も含めて、予想を大きく上回ったことだ。しかしそれでもドル金利の顕著な上昇を引き出すことはできず、したがってドル相場も動きの鈍い状態が続くこととなった。
中国との貿易戦争に若干の不安が増大したこともあって、米国株は大きく値下がりをした。これは中間選挙でラリーした分を吐き出す動きとなった。それにともないリスク回避を志向してのクロス円の売りも出てきた。
今週のテーマはドルの年初来高値トライの動きであろう。とくにユーロドルの動向には要注意だ。そればイギリスやイタリアといったユーロ売りの材料も交えているからだ。後は株価などに見られるリスク調整の動きである。
これによってユーロ円などクロス円が一段安するようならば、ユーロドルの下げの支援ともなる。今晩に限ってはアメリカが休日ということもあり、マーケットの参加者が少なく、動きは鈍いものとなろう。
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