BREXIT法案をイギリス国内でどう扱うかについて紛糾している。EUとの合意案を閣議決定だけで通すことはできないので、最終的には議会の承認を必要とする。よって簡単にことが運ぶことはないということは、前から予測されていたことであった。それでも昨日の欧州時間では出てきた材料に大きく反応してしまった。
それほどマーケットは楽観していたということだろうか。確かに今までは国民投票であろうとEUから文句を言われようと、どうせ何とかなるだろうということで十分に反応してこなかった。それが制限時間を残り少なくして、ようやく現実味がわいてきたということなのか。
昨日は欧州時間の序盤からEU離脱相が辞任したというニュースが出てきて、これがポンド売りを誘った。離脱交渉を進めていた当事者がやめたのだ。それだけでもインパクトのある材料だった。市場参加者が飛びつくのも無理はない。
私は今週に入ってからユーロドルのベアスタンスを変えていなかったので、欧州時間の早いうちに1.1319でショートを作って持っていた。前日にやられた分を取り返せるぞ、と一瞬は喜んだ。これまでの傾向として、ポンドの悪材料でポンド安が進んでいるときは、同じく欧州通貨だということで少なからずユーロも値下がりしていたからである。そしてユーロドルも1.13台を割り込んできた。
しかし昨日のポンド売りは腰が入っていたようで、ポンド全面安の一環としてユーロポンドの上げがきつくなった。ユーロクロスで来ているのだから、ポンド売りはかなり本物だ。そのためユーロ買いの方もはっきりと出てきて、ユーロドルがドスンと落ちない。ポンドドルはスッと落ちているのにである。
まあ、最初に持っていたのだがユーロドルだったので、ここは我慢するしかない。できることと言えば、ユーロ買いが異常に強まったら、そのときは損切りしなければいけないということだ。ユーロドルは1.1275あたりまで下押ししたが、その後はさっぱりだ。1.13台まで戻してきたら、即座にポジションカットのつもり。
結果的にはユーロポンドが150ポイントも上がってしまった。イギリスの与党内からも党首の不信任投票を求める声も出てきて、混乱が増幅されたからだ。ユーロポンドの値幅がユーロドルよりも大きい。それだけマタ裂きでポンド売りが進んだということだ。私のストップ注文もダンになってしまいのも当然であった。
さて今晩は経済イベントが少ない。マーケットの関心は相変わらずBREXIT交渉の行方と米中貿易戦争にある。要人発言で市場は反応しそうだが、相場の流れは基本的には昨日と変わらないであろう。やはりポンド売り中心の、欧州通貨売りである。私もスタンスを変えずにユーロショートで臨む。
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