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■BBC記者のツイートで、ブレグジット交渉の状況が突然変化

 今回のテーマは先週のコラムに引き続き、ブレグジット交渉です。

【参考記事】
●ブレグジット最終局面！ 英ポンド/ドルは合意ありで1.40、合意なしで1.20ドル方向か（12月9日、志摩力男）

 12月13日（日）がデッドラインとされていましたが、ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長が30分ほど電話会談し、もう少し協議を続ける（Some extra mile）ことで一致しました。

 「1年近い交渉の中で疲弊し、何度も何度も交渉期限が守られずに来たが、我々はもう少し協議を続ける(some extra mile)責任があると考えます」

 欧州と英国の間には、公正な競争条件の確保、漁業権、紛争解決方法という3つの主要問題において、依然として大きな隔たりがあることが強調されました。

 ジョンソン英首相は、繰り返し「合意なき離脱の可能性が高い」と発言しています。

 しかし、そこからわずかな時間しか経っていないのですが、「公正な競争条件の確保」において、急速に合意ができつつあると英ＦＴ紙が報じました。

 そして、状況が突然変化したのは、BBC記者、ニコラス・ワット氏のツイートです。

Big buzz in the last hour among Tory MPs that the UK is heading towards a Brexit deal with the EU. Eurosceptics being reassured they will be happy.

— Nicholas Watt (@nicholaswatt) December 15, 2020

 「この1時間ほどで、保守党議員の間で英国が欧州とブレグジット合意に向かっていると噂されている。欧州懐疑派議員らが合意案で大丈夫かと確認されているらしい」

■この数年、情報ソースがツイッターへと変化

 この数年、情報ソースがロイターやブルームバーグといったプロ向けの端末に流れるニュースヘッドラインから、ツイッターへと変化してきています。

 トランプ大統領の登場がそうさせたとも言えますが、報道記者が、所属会社の配信を通さず、直接ツイートしたことがマーケットを動かす、昨日（12月15日）はその象徴のような出来事でした。

【参考記事】
●トランプ退場で、為替市場の動きに期待！ ドル安・円安の懐かしい相関関係に戻りそう（12月2日、志摩力男）
●ツイッターなどのSNSツールでお気に入りのアカウントを見つけて、ＦＸで活用しよう！
●トレードに役立つFX会社関連のTwitterは？ フォロー＆リツイートで500円相当が当たる!?
●フォロワー爆増、有名トレーダーも注目！ 日経の記者・後藤達也氏のツイッターとは？
●あの岡三マンのTwitterが一時的に制限！ ヤフーやBloombergを巻き込み世界で騒動に

 おそらく、日本の多くの金融機関では、ディーリングルーム内でツイッターを見ることはできないと思います。コンプライアンス上、問題があると考えられているからです。

 しかし、現実にツイッターがマーケットを動かしている以上、これは大きなディスアドバンテージです。

 むしろ個人投資家のほうが、より良い情報に接することができるようになったと言えます。

 しかし、誰のツイートがマーケットを動かすのか、これもわからないのですが、重要なツイートはどんどんリツイートされます。それを敏感にピックアップできるかどうかの競争にもなってきました。

■ブレグジット合意が実現する合図は英下院開会のニュース

 もし、本当に合意が実現するのであれば、それが英国議会でも批准されないといけません。

 英国の議員の方々も、クリスマス前に招集をかけられそうで大変です。

 理想的には、今週（12月14日～）後半に合意し、週末に法案が起草され、来週月曜日（12月21日）に下院、火曜日（12月22日）に上院、そして水曜日（12月23日）に女王の裁可となります。

 そうなれば、クリスマスを前に、ブレグジット合意実現となります。

 そうなるかどうかは、リースモッグ議員が来週（12月21日～）下院を招集するかどうかにかかっています。

 もし、英下院が来週月曜日（12月21日）に開かれるというニュースが流れたら、それはブレグジット合意が実現する合図となります。

 ブレグジット合意が実現した場合、先週のコラムも書きましたが、英ポンド/米ドルは1.40ドルを目指す展開になるのではないかと予想しています。

【参考記事】
●ブレグジット最終局面！ 英ポンド/ドルは合意ありで1.40、合意なしで1.20ドル方向か（12月9日、志摩力男）

英ポンド/米ドル 日足

（出所：TradingView）

 もしかしたら、協議が少しずれこみ、来年（2021年）に足をかける可能性もあります。

 だからと言って、「合意なき離脱」となるのではなく、流れからいって合意に向かって進んでいくものと思われます。

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