■筆者のメインシナリオ、ドル高の継続を市場の値動きが証明
筆者が繰り返し指摘してきたメインシナリオ、すなわち米ドル高の継続は、巷の見方とは相違するかもしれない。しかし、市場の値動きが証明しているだけに、一段と可能性が高まっていると思う。
FRB(米連邦準備制度理事会)のハト派スタンス転換および利上げ停止、そして、米金利の逆イールドカーブ云々で米景気後退を危惧する声も多かったが、少なくとも目先では杞憂であることが証左されている。
本コラムでも指摘したように、仮に逆イールドカーブのサインがホンモノであったとしても、米景気後退は早くても来年(2020年)になる計算であり、本当のところは逆イールドカーブ自体が大げさに取り上げられていた疑いが濃厚なので、信憑性は低い。
【参考記事】
●逆イールドを深刻に捉えすぎる必要はない!? 景気後退は早くても来年、当面ドル高維持(2019年3月29日、陳満咲杜)
■景気の先行指標として有効な「株のパフォーマンス」
景気全体の判断は、たとえFRBであっても容易ではないから、個別の指標を取り上げた論議自体はほとんど意味を持たない。
とはいえ、一般人にも、方法がないことはない。一般人にとってわかりにくい物差しがあっても意味がないから、最もわかりやすく、また、使える指標は「株価」だと思う。
景気の先行指標として、株式のパフォーマンスが有効であることは、歴史が繰り返し証明してきた。一般論として、株式のパフォーマンスは、景気の強弱を現実より1年か1年半ぐらい早めに織り込んでいくという傾向が強いから、株価を見ることは、一般の投資家にとって、最も手っ取り早く、また適切な指標となるはずだ。
米国株の三大指数(NYダウ、ナスダック、S&P500)は、2019年年初から、ほぼ一本調子の戻りを果たし、昨年(2018年)高値、すなわち史上最高値に迫る勢いを示している。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
米国株は昨年(2018年)10月高値から大きく反落していたが、そのブル(上昇)トレンドが終わっていないことも本コラムにて指摘してきたとおりで、これから高値更新を果たす可能性が高いとみる。
【参考記事】
●逆イールドを深刻に捉えすぎる必要はない!? 景気後退は早くても来年、当面ドル高維持(2019年3月29日、陳満咲杜)
■200日線を回復した日経平均の上昇余地は大きい
また、昨年(2018年)、最も悪いパフォーマンスを記録した上海株も、今年(2019年)第1四半期の上昇をもって、昨年(2018年)ほぼ1年間の下げ幅を取り戻したほどだ。
(出所:Bloomberg)
この意味では、上海株云々で日経平均の低迷を説明してきたロジック自体も崩れており、目先、やっと200日移動平均線(200日線)を回復した日経平均の上昇余地は大きいと思う。
(出所:Bloomberg)
株のパフォーマンスが景気の先行指標として有効であれば…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)