■クロス円中心のリスクオン相場に
この1週間の流れは、米中貿易交渉、英国のEU離脱(ブレグジット)の2大リスク要因が、いったん落ち着いたことを背景に、若干のリスクオンが起きて、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を中心に、やや円安に向かうという展開になっています。
【参考記事】
●米ドル/円は110~112円のレンジトレードで。リスクオフ回避でも楽観できない理由は?(4月11日、今井雅人)
●6カ月間延長で、EU離脱日は10月31日に。2度目の国民投票実施はあり得るのか!?(4月15日、松崎美子)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
■米中合意期待や中国GDPが安心材料に
その後の展開としては、まず、米国では「米中両国は今年(2019年)の5月末までに、貿易交渉に関しての協定にサインする見込み」と、一部大手マスコミが報道しています。
そのことによって、益々、合意への期待感が高まってきているようです。
また、大幅な減速が懸念されていた中国の景気ですが、先日(4月17日)発表された1~3月期の中国GDP(国内総生産)は、前年同期比でプラス6.4%の成長と、予想を上回る結果となっており、市場関係者も、ほっと胸をなでおろしています。
※中国国家統計局のデータをもとにザイFX!が作成
■でも、トレンドを作るには材料不足…
こうした結果を受けて、さらなるリスクオンになってくると期待している人もいるかもしれませんが、正直、そこまでの動きになるとは考えられません。
何度も申し上げているとおり、世界経済が反転していくほどのことではないので、トレンドを作るには、ちょっと材料としては弱いと思います。
【参考記事】
●米ドル/円は110~112円のレンジトレードで。リスクオフ回避でも楽観できない理由は?(4月11日、今井雅人)
●米中貿易交渉の合意期待でリスクオンだがドル/円は右往左往!? 狙いはユーロ/ドル!(4月5日、今井雅人)
新たなトレンドを作るには、米国や中国の景気がしっかりと回復していくような状況になってくることが、必要になってきます。
■一部のクロス円はやや買われすぎのゾーンへ
さらに、チャートから見ても、今後の伸びが難しいのではないかと思われます。
たとえば、ユーロ/円、豪ドル/円などを見ても、確かにレンジをいったん上に抜けているように見えるものの、MACDなどのオシレーター系テクニカル指標は、やや買われすぎゾーンに入ってきています。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
今週末(4月19日)から来週(4月22日~)にかけては、キリスト教系の国・地域においては、イースター休暇に入ります。ここでは、市場が閉鎖され、オープンしていても取引が閑散になるという状況になってきます。市場の動きは、鈍くなってくるのではないでしょうか。
個人的には、クロス円の…
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