先週は雇用統計が出た。利下げ期待だけが高まってきていて、その前日のアメリカが休みときにはグローベックスセッションでS&P先物は3006ポイントまで高値を拡げていたところだ。
ポジションも利下げを過度に織り込んでいた状態であった。果たしてこんな株高のときに利下げができるものなのか。それが試される第一ステージであった。
雇用統計の結果は就業者数が22万人台の増加となって、これは事前予想を大きく上回った。これがすべてであった。このヘッドラインにマーケットは反応した。それまでたまりにたまったポジションの修正が起こった。ドル金利は急上昇し、為替相場ではドルの全面高に向かった。
ドル円も今までの反対の流れが出てきて、108円台乗せした後は実に堅調な動きとなった。私もドル金利上昇のシナリオを描いていたので、108円台乗せでストップ的にドル円を買っておいた。値段が飛んだが、これは指標の発表直後なので仕方のないことだ。そして実際に108.30あたりまで簡単に上がってしまったのである。
一方で金利上昇による企業コスト負担の軽減を期待していた株式相場も打撃を受けた。米国株は大幅安となった。しかしニューヨーク時間の後半ではハイテク株などに見直し買いが入り、それまでの下げ分の半分以上を取り戻して終了。
ドル円は108.60あたりまえ高値を拡げたが、ほとんど押し目なし。私もドルロングを持ちっぱなしで週越しとなった。マーケットが織り込んでいた利下げの調整がどこまで起こるのかを見極めたいところだ。
注目すべき対象はアメリカのドル金利。パウエル議長の議会証言が予定されているが、これはすでにテキストが事前に公表されているので、あまり市場にインパクトを与えることはないであろう。
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