先週の雇用統計の結果がどういったものなのかを見極めたいというのが、昨日のマーケットだった。雇用統計の結果は存外に良かったので、それでドル金利の低下は止まった。利下げ期待の後退ということで株価も下落に向かう。
そして為替相場ではドルが買い戻しが優勢となってきたのであった。しかし金曜日の終盤では株も債券相場もかなり巻き返しの様相を見せていたので、それで先の成り行きを見たいというところであった。
昨日は再び株安と債券安の方向を攻めることとなった。株と債券が同じ方向に動いてしまう金融相場の展開が続いている。そして両者ともに金曜日の安値を下回ることはなかった。大きな動きが見えたとは言えないが、利下げ期待が薄らいだという方向感だけは明らかになったようである。
ドル円は108円台の中盤で始まったが、アジア時間ではやや重い足取りとなった。これはグローベックスセッションで米国株も米国債も上げ気味で推移したからである。やっぱり金融緩和か、ということでドル円も108.30を割り込むところまで下がってきていた。
しかし海外市場では流れが逆転。とくにニューヨーク時間ではドル金利の上昇が目立ってきて、それがドル買いにつながった。ドル円は108.80あたりまで上昇。そのまま高値圏で終了することとなった。
私は先週からスモールでドル円のロングを持っているが、ポジションをクローズするような局面はなかった。もうちょっと先行きが鮮明になるまで、ドルロングのキープをしたい。
今晩はブラード総裁の発言がある。セントルイス連銀の総裁の話なんか、日頃は注目を集めないのだが、今回の利下げ期待の一翼を担ったのがブラード総裁である。また直近のFOMCでは唯一の利下げを主張した人物である。
それがどのように発言を変えてくるかが興味の対象である。「7月は急いでやる必要はないだろう」とか「もっとデータを見るべき」とか言いだすと、マーケットの流れが完全に変わってしまう。ドル円も109円台の後半まで簡単に言ってしまうかもしれない。
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