昨日のパウエル議長の議会証言では、予想通りの内容となった。6月時点のFOMCからは見方は変わっていないとしながら、米中摩擦の懸念がぜんぜん解消されていないことについて強調した。
これで予防的な利下げを示唆したことになるが、どのくらいの幅の利下げを目論んでいるのか、1回だけで終わるのかなどは見えてこない内容であった。議会証言の前にテキストが公表されたので、それにマーケットは反応した。
それまで利下げ期待の行き過ぎの反省からドル金利は上昇してきていたのだが、再び急低下に向かった。それにともなってドル相場は全面安に。ドル円は109円台乗せを直前まで目指していたのに、50ポイントほど急落を演じた。金利低下で米国株は史上最高値を更新してきた。
パウエル議長の証言が終わるまでは利下げ期待がずっと高いままであろうと考えていた私は、それまではドルショートで攻めると決めていた。だから108円台の後半で作っておいたドル円のショートポジションも、簡単に利食いで買い戻しはしなかった。0時過ぎになって証言と質疑応答が終わると、私もやっと買い戻すことにした。108.54だった。
一段落した後はまたドルが全面高になるとも予想していた。それは利下げ分はかなりの部分をすでに市場は価格に「織り込んでしまっていたからだ。材料出尽くしと言うことで再度の金利上昇とドル買いが起こるのではないかと見ていた。そこでドル円をまたロングにも振ってみたのだが、朝までドル円はほとんど上がらず。あきらめてドルロングを手放した。
今日になって東京時間ではドルの見直し売りがかさんだ。中値にかけては外貨手当の需要も少なかったのだろう。ドル金利も若干、低下してきている。ちょっと私の想定とは違ってきた。昨日の議会証言の内容をかなり積極的なハト派声明と受け取ったものか。もうちょっと様子を見たい。
今晩の議会証言は昨日のものとほぼ同じになると予想され、市場の関心は薄い。注目されるべきは利下げ効果がどのくらいまで継続するかだ。具体的にはドル金利の一段の低下が見られるのかどうか。また史上最高値をやっている米国株が値崩れしないで保っていられるのか、などである。
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