アメリカのGDPが出た。実質GDPはプラス2.1%で、予想を上回った。そして個人消費もプラス4.3%という、とても大きな伸びを見せたのである。確かに政府支出が大きく、民間の設備投資の落ち込みが見えるが、これは中国による影響がないとは言えない。
それでも消費の伸びの大きさには目を見張るものがある。ここ近年にないような伸び率だ。景気の過熱を心配しないといけない領域に入っているとさえ言える。さすがにマーケットでは0.5%の利下げの声は吹き飛んだ。
しかし0.25%ならば堅いところであろうという見解が主流になった。やはり「予防的」ということから離れられないようだ。すでにパウエル議長も議会で証言していることもあって、株価などの下げは限定的なものにとどまった。そしてニューヨーククローズに向けてはショートカバーを巻き込んだ買い上げもあって、史上最高値を更新。
ドル相場も上昇するには上昇したが、上げ方は緩慢なものであった。ドル円は昼間から108.60アラウンドで動かなかったが、そこから20ポイントほどだけ上がっただけ。109円台に突入することはなかった。それはドル金利の上昇がそれほども見られなかったことに起因する。
他通貨でもドル高は進んだ。ユーロドルは再び下がってきて1.11台の前半に。いよいよ2年ぶり安値を下回ってきそうなところまで到達した。ポンドドルもズルズルと下がってきて、1.23台に突入。ドルの買い戻し圧力は徐々に強まってきているのがわかる。
GDPが終わって、これで見るべきデータは出尽くしたわけだが、あとは水曜日の夜中まで結果を待つしかない。強いて問題となるのは6月利下げを見送ったことである。6月はしないで7月にやるという根拠に乏しいからだ。
企業決算も減益しているところが目立ってきたとはいえ、元から高水準で推移していた企業利益である。依然として高い収益性を堅持していることには変わらない。
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