FXに興味はあるけれど、資金が少なくて……とためらっている人はいないだろうか。そんなFX初心者に、おすすめしたいのが少額取引だ。
この記事では、FXの少額取引にはどんなメリットがあるのか、また、少額取引をする3つの方法について、わかりやすく紹介する。あわせて少額取引におすすめのFX口座も適宜紹介しているので、ぜひ、チェックしてもらいたい。
■目次
・FXの少額取引のメリットとは?
・「取引単位」から選んで少額取引
・1000通貨以下で取引できるFX会社一覧
・為替レートが低い「通貨ペア」を選んで少額取引
・「損切りレベル」を選んで少額取引(ノックアウト・オプション)
■FXの少額取引のメリットとは?
そもそもFXの少額取引には、以下のようなメリットがある。
・ 証拠金が少ないので気軽にトレードできる
・ レバレッジを抑えたトレードがしやすい
・ デモトレードと比べて緊張感のあるトレードができる
少額取引だと、ポジションを建てるための証拠金が少なくてすむ。そうなると、少ない資金でもポジションを建てられるようになるので、FXをはじめたいと思っているけれど、資金が少なくて……とためらっている初心者でも気軽にトレードを始めることができる。
そして、ポジションを建てるための証拠金が少なくなることで資金に余裕ができるので、レバレッジを抑えた低リスクの取引がしやすくなるのもメリットだ。
また、FX初心者がトレードを試しにやってみる場合、デモトレードを利用することも考えられる。けれど、デモトレードでは、見た目上、口座にお金が入っていても、それはバーチャルなもの。本当の自分のお金ではないから、儲けても損しても自分の懐は暖かくもならないし、痛くもならない。
これに対して少額取引は、少額ではあっても自己資金でポジションを建てる本番トレードだ。わずかであっても、当然、儲けや損がリアルに出る。同じお試しトレードでも、デモトレードよりも緊張感を持ってトレードすことができるというメリットがあるのだ。
■「取引単位」から選んで少額取引
続いて、FXの少額取引をするための具体的な方法を紹介する。今回、紹介するのは、以下の3つの方法だ。
(1) 「取引単位」から選ぶ方法
(2) 「通貨ペア」から選ぶ方法
(3) 「損切レベル」から選ぶ方法
それぞれ、順に紹介していこう。
はじめに紹介するのは、「(1)『取引単位』から選ぶ方法」だ。
FX会社では、取引できるポジションの最低単位を決めていて、これを「取引単位」と呼んでいる。
現在、FX業界では1000通貨を取引単位にする会社が多いが、1000通貨未満の取引単位にしているFX会社もある。そういうFX会社を選べば、少額取引は可能というわけだ。
1000通貨未満を取引単位にしている代表的なFX会社が、SBI FXトレードとOANDA Japan。この2社には、1通貨単位でポジションを建てることができる口座があるのだ。これは、かなり珍しい。
★SBI FXトレード
>>>SBI FXトレードの最新スペック詳細はこちら
たとえば、1米ドル=100円のとき、SBI FXトレードで1通貨のポジションを建てる場合、必要証拠金はたったの4円。

以下の表は、1米ドル=100円のときに1通貨でポジションを建てる場合、レバレッジ25倍、レバレッジ10倍、レバレッジ5倍で取引したときの必要証拠金を比較したもの。

1通貨のポジションを建てる場合、レバレッジ10倍で10円、レバレッジ5倍でも20円の証拠金しかかからない。レバレッジを低くしても、証拠金が少なくてすむならFX初心者でも気軽にトレードできそうだ。
また、マネーパートナーズ[パートナーズFX nano]では、100通貨単位でポジションが建てられる。1通貨単位で取引できるSBI FXトレードほどではないが、一般的な1000通貨単位で取引できるFX会社と比べ、ひと回り小さな単位で取引ができるのだ。こちらも貴重な口座といえる。
★マネーパートナーズ[パートナーズFX nano]
>>>パートナーズ[パートナーズFX nano]の最新スペック詳細はこちら
1000通貨以上の取引に不安があるという人は、SBI FXトレードやマネーパートナーズ[パートナーズFX nano]で、1通貨や100通貨での取引を試してみるのはどうだろう?
なお、SBI FXトレードとマネーパートナーズ[パートナーズFX nano]では、比較的簡単な条件でキャッシュバックが受けられるキャンペーンを実施している。
SBI FXトレードのキャンペーンでは、口座開設してログインするだけで500円のキャッシュバックが受けられる。あわせて、5000円がもらえるザイFX!限定タイアップキャンペーンも実施中だ。

また、マネーパートナーズ[パートナーズFX nano]でも、口座開設してログインするだけで、1000円がもらえるザイFX!限定タイアップキャンペーンが実施されている。

SBI FXトレードとマネーパートナーズ[パートナーズFX nano]は取引単位が小さいので、プレゼントされた現金でFXを始めることも可能だ。キャンペーンをフル活用して、少額取引を試してみるのもいいかもしれない。
■1000通貨以下で取引ができるFX会社一覧
さて、先ほど「FX業界では1000通貨を取引単位にする会社が多い」と紹介したが、実は、以前は、1万通貨単位のFX会社が主流だった。各FX会社の現在の取引単位はどうなっているのか? ここで改めて確認しておきたい。
FX会社 [サービス名] |
取引単位 |
SBI FXトレード | 1通貨 |
マネーパートナーズ [パートナーズFX nano] |
100通貨 |
外為どっとコム [外貨ネクストネオ] |
1000通貨 |
ヒロセ通商 [LION FX] |
1000通貨 ※一部通貨ペアを除く |
YJFX! [外貨ex] |
1000通貨 ※一部通貨ペアを除く |
外為オンライン [外為オンラインFX] |
1000通貨 ※一部通貨ペアを除く |
FXブロードネット [ブロードライトコース] |
1000通貨 ※一部通貨ペアを除く |
JFX [MATRIX TRADER] |
1000通貨 ※一部通貨ペアを除く |
外為ジャパンFX | 1000通貨 |
トレイダーズ証券 [みんなのFX] |
1000通貨 |
サクソバンク証券 [スタンダードコース] |
1000通貨 ※一部通貨ペアを除く |
ゴールデンウェイ・ジャパン (旧FXトレード・フィナンシャル) [FXTF MT4] |
1000通貨 |
マネースクエア [マネースクエアFX] |
1000通貨 ※一部通貨ペアを除く |
セントラル短資FX [FXダイレクトプラス] |
1000通貨 |
トレイダーズ証券 [LIGHT FX] |
1000通貨 |
岡三オンライン証券 [岡三アクティブFX] |
1000通貨 |
ジャパンネット銀行 [JNB-FXPLUS一般タイプ] |
1000通貨 |
アイネット証券 [ループイフダン] |
1000通貨 ※一部通貨ペアを除く |
インヴァスト証券 [トライオートFX] |
1000通貨 ※一部通貨ペアを除く |
FXプライム byGMO [ちょいトレFX] |
1000通貨 |
トレイダーズ証券 [みんなのシストレ] |
1000通貨 |
楽天証券 [楽天FX] |
1000通貨 |
ひまわり証券 [ループ・イフダン口座] |
1000通貨 |
FXプライム byGMO [選べる外貨] |
1000通貨 |
マネックス証券 [FX PLUS] |
1000通貨 |
FOREX.com [Meta Trader4] |
1000通貨 |
楽天証券 [楽天MT4] |
1000通貨 |
サクソバンク証券 [アクティブトレーダーコース] |
1000通貨 ※一部通貨ペアを除く |
新生銀行 [新生銀行FX] |
1000通貨 |
GMOクリック証券 [FXネオ] |
1万通貨 ※一部通貨ペアを除く |
DMM.com証券 [DMM FX] |
1万通貨 |
※表はザイFX!編集部が作成
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:1000通貨単位で取引できるFX会社はここだ!
こちらをご覧いただくと、外為どっとコム、トレイダーズ証券、YJFX!……など、かなり多くのFX会社が取引単位を1000通貨にしていることがわかる。そして、1000通貨未満は、先ほど紹介したSBI FXトレードとマネーパートナーズ[パートナーズFX nano]の2社と、非常に少ない。
また、GMOクリック証券、DMM.com証券という取引高トップクラスのFX会社2社は、現在も取引単位が1万通貨であるという点も覚えておこう。
このタイプの口座は、現在のFX業界では少数派となっているのだが、両社はこの先も1000通貨単位以下での取引に対応する予定はないのだろうか。対応してくれれば、さらに初心者が利用しやすくなりそうなものだが…。今後のルール変更に期待したいところだ。
■為替レートが低い「通貨ペア」を選んで少額取引
続いて紹介するのは、「(2) 『通貨ペア』から選ぶ方法」だ。もう少し具体的に言うと、為替レートが低い通貨ペアを選んで少額取引をする方法と言える。
この方法だと、先ほど紹介した100通貨や1通貨で取引する方法と違い、1万通貨以上のポジションで取引しても証拠金が少なくてすむ。具体的にどのようなものか、見てみよう。
2019年9月18日(水)現在、米ドル/円を1万通貨取引するのに必要な証拠金は4万3280円(1米ドル=108.20円換算)程度かかる。
一方、米ドル/円よりレートの低い通貨ペアの必要証拠金は、加ドル/円が3万2640円(1加ドル=81.60円換算)程度、豪ドル/円が2万9680円(1豪ドル=74.20円換算)程度、NZドル/円が2万7480円(1NZドル=68.70円換算)程度となっている。

つまり、為替レートの低い通貨ペアを取引対象にすることで、証拠金も少なくてすむというわけだ。
ただ、上表を見てみると、米ドル/円と比較すれば少額ですむものの、主要通貨ペアで1万通貨のポジションを建てようとすると、証拠金は数万円はかかるし、レバレッジを低く抑えようとすれば、証拠金はもっと増えてしまう…。
では、1万通貨あたりの証拠金をもっと抑えて取引できる通貨ペアはないのだろうか?
FX会社が提供している通貨ペアの中から、少ない証拠金で取引できる通貨ペアを、記者がいくつかピックアップしてみた。

上表にある4通貨ペアは、すべて新興国通貨が絡んだものとなっている。2019年9月18日(火)現在、1万通貨あたりにかかる必要証拠金は、メキシコペソ/円が2200円(1ペソ=5.50円換算)、南アフリカランド/円が2920円(1ランド=7.30円換算)、中国人民元/円が6100円(1元=15.25円換算)、トルコリラ/円が7560円(1リラ=18.90円換算)だ。
これが1000通貨あたりだと、メキシコペソ/円は220円(1ペソ=5.50円換算)、南アフリカランド/円は292円(1ランド=7.30円換算)、中国人民元/円は610円(1元=15.25円換算)、トルコリラ/円は756円(1リラ=18.90円換算)と、さらに少額でポジションを建てられる。
主要通貨ペアと比較すると、1万通貨でも1000通貨でも証拠金がかなり少なくてすむことがわかるが、その中でもメキシコペソ/円の為替レートは低く、4通貨ペアの中でも、もっとも少ない証拠金でポジションを建てることができる。
南アフリカランド/円はほとんどのFX会社で取り扱っているが、メキシコペソ/円は、まだそこまでメジャーな存在とは言えない。そんな中、マネーパートナーズ[パートナーズFX nano]はメキシコペソ/円を取り扱っている。
先ほども紹介したとおり、マネーパートナーズ[パートナーズFX nano]は取引単位が100通貨と小さいので、1ペソ=5.5円の場合、最低単位の100通貨のポジションを建てようとすると、証拠金はわずか22円しかかからない。非常に少額で取引できるということだ。

なお、メキシコペソに限らず、新興国は政策金利が高い国が多いので、新興国通貨を買うことで、高いスワップポイント(スワップ金利)を受け取ることが期待できる。
特に人気があるのはトルコリラ/円、メキシコペソ/円の2通貨ペアだ。以下の【参考コンテンツ】では、それぞれの取り扱いFX会社を比較することができるので、興味がある方は参考にしてもらいたい。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:トルコリラ/円が取引できるFX会社はここだ!
●メキシコペソ/円が取引できるFX会社を徹底比較! スワップポイントやスプレッドは?
ただし、新興国通貨の取引には注意が必要な点もある。それは、主要通貨と比べて、新興国通貨は為替市場で取引参加者が少なく、流動性が低いので、突然、相場が急変動してしまうことがあるという点だ。新興国通貨絡みのポジションを建てる際は特に、資金管理に注意が必要と言える。
これからFXを始めようという人で新興国通貨の取引を検討している人は、自身が許容できるリスクを頭に入れながら取引することをおすすめしたい。
■「損切レベル」を選んで少額取引(ノックアウト・オプション)
最後に、「(3) 『損切レベル』から選ぶ方法」として、ちょっと違う視点から、あるサービスを使って少額取引をする方法を紹介しよう。
そのサービスとは、IG証券が提供している「ノックアウト・オプション」だ。

ノックアウト・オプションは、あらかじめノックアウトレベルといわれる一定の水準にストップロス注文を必ず入れる必要があり、そこにレートが到達したら絶対にスベることなく約定するしくみを備えたFXのようなもの。

FXでは、1米ドル=100円のとき、1万通貨あたり4万円、1000通貨あたり4000円の証拠金がかかる。


ところが、IG証券のノックアウト・オプションでは、自身が設定するノックアウトレベル(FXで損切りレベルにあたるもの)によっては、1000円程度のオプション購入額(FXで証拠金にあたるもの)で1万通貨の取引をすることができるのだ。
設定できるノックアウトレベルは、通貨ペアによっても違うのだが、米ドル/円だと10銭置きに設定でき、現在レートの近くに設定するほど、オプション購入額は少なくなる。

たとえば、その時点の米ドル/円レートが105.00円だった場合、ノックアウトレベルを10銭下の104.90円に設定して「ブル(上昇)」を購入したとき、1ロット(1万通貨)あたりのオプション購入額は1200円しかかからない。このとき、手持ちの資金が1万円しかなかったとしても、計算上、8万通貨の取引ができてしまう。
もっと余裕を見て90銭下の104.10円にノックアウトレベルを設定しても、1万通貨の取引をするのに必要なオプション購入額は、9200円しかかからない。
ただし、「ノックアウトレベル=損切りレベル」なので、その時点のレートに近すぎるレベルを設定すると、すぐに損切りされてしまう可能性が高まる。この点には、ご注意が必要だ。
IG証券が提供しているノックアウト・オプションの詳しい説明については、以下の【参考記事】で行っているので、興味がある方には、ぜひ、ご覧いただきたい。
【参考記事】
●ノックアウト・オプション──それはリスク限定で利益が狙える新しい金融商品
●海外FXのハイレバ+ボーナスに潜むリスク。 これからは低リスクで効率よく高収益を狙う!
●自腹で検証! 為替もできる新商品の実態は!? 少ない資金で利益が狙えるしくみが魅力!
ここまで、FXの少額取引をする方法について、3つ紹介してきた。これからFXを始めようと思っている人、少額取引に興味があるという人は参考にしてみてはどうだろう。
(ザイFX!編集部:庄司正高)
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