FXに興味はあるけれど資金が少なくて……とためらっている人はいないだろうか。そんな人におすすめしたいのが、少ない資金で取引する「少額取引」だ。取引単位が非常に小さいFX口座(FX会社)で取引すれば、数円の資金から取引できるところもある。さらに、自己資金ゼロで取引をスタートすることも可能だ。
そこで、「少額取引のメリット」と、「少額取引をするための3つの方法」をわかりやすく解説するほか、「少額取引をするのにおすすめのFX口座」も適宜紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
【目次】
・FXの少額取引のメリットとは?
・「取引単位」の小さいFX会社を選んで少額取引する
・「1000通貨」以下の取引が可能なFX会社を紹介!
・為替レートが低い「通貨ペア」を選んで少額取引
・「損切レベル」を選んで少額取引(ノックアウト・オプション)
FXの少額取引のメリットとは?
FXの少額取引には、以下のようなメリットがある。
・ 取引に必要な証拠金が少なくて済むので気軽にトレードできる
・ レバレッジを抑えたトレードがしやすい
・ デモトレードと比べて緊張感のあるトレードができる
少額取引だと、ポジションを建てるために必要な証拠金の額が少なくて済む。そうなると、少ない資金でもポジションを建てられるようになるので、FXに興味はあるけれども資金が少なくて……とためらっている人も、気軽にトレードを始めることができるだろう。
また、ポジションを建てるために必要な証拠金が少額で済むと資金に余裕ができるので、レバレッジを抑えた低リスクの取引がしやすくなるというメリットもある。
また、FX初心者がトレードを試しにやってみる場合、デモトレードを利用することも考えられる。けれど、デモトレードでは、見た目上は口座にお金が入っていても、それはバーチャルなもの。本当の自分のお金ではないから、儲けても損しても自分の懐は暖かくもならないし、痛くもならない。
これに対して少額取引は、少額ではあっても自己資金でポジションを建てる本番トレードだ。わずかであっても、当然、儲けや損がリアルに出る。同じお試し感覚のトレードでも、デモトレードよりも緊張感を持ってトレードすることができるというメリットもあるのだ。
「取引単位」の小さいFX会社を選んで少額取引する
続いて、FXの少額取引をするための具体的な方法を紹介する。今回、紹介するのは、以下の3つの方法だ。
(1) 「取引単位」から選ぶ
(2) 「通貨ペア」から選ぶ
(3) 「損切レベル」から選ぶ
それぞれ、順に紹介していこう。
はじめに紹介するのは、「取引単位」から選ぶ方法だ。
FXではFX会社ごとに取引できるポジションの最低単位が決まっていて、これを「取引単位」と呼んでいる。
現在は、最低取引単位が1000通貨のFX会社が多いが、1000通貨未満のFX会社もある。そういうFX会社を選べば、少額取引が可能というわけだ。
最低取引単位が1000通貨未満の代表的なFX口座としては、「1通貨」単位のSBI FXトレードと松井証券[MATSUI FX]がある。
★SBI FXトレード
>>>「SBI FXトレード」のメリットのほか、「スプレッド」や「スワップポイント」「取り扱い通貨ペア数」などをまとめて紹介!
★松井証券[MATSUI FX]
>>>「松井証券[MATSUI FX]」のメリットのほか、「スプレッド」や「スワップポイント」「取り扱い通貨ペア数」などをまとめて紹介!
たとえば、為替レートが100円のときに、SBI FXトレードや松井証券[MATSUI FX]で1通貨のポジションを建てる場合に必要な証拠金は、たったの4円だ。
レバレッジが10倍でも10円、レバレッジが5倍でも20円の資金しかかからない。レバレッジを低く設定しても必要な証拠金が少なくて済むので、初心者も気軽にトレードできるだろう。
また、マネーパートナーズ[パートナーズFX nano]では「100通貨」単位の取引が可能。1通貨単位のSBI FXトレードや松井証券[MATSUI FX]ほどではないが、一般的な1000通貨単位で取引できるFX会社と比べ、ひと回り小さな単位で取引ができるので、こちらも貴重な口座といえる。
★マネーパートナーズ[パートナーズFX nano]
>>>「マネーパートナーズ[パートナーズFX nano]」のメリットのほか、「スプレッド」や「スワップポイント」「取り扱い通貨ペア数」などをまとめて紹介!
1000通貨以上の取引に不安があるという人は、これらの口座を利用して、1通貨や100通貨での取引を試してみるのはどうだろう?
なお、SBI FXトレードでは現在、口座開設日の翌月10日までに取引口座へログインするだけで500円がもらえるキャンペーンを開催している。
SBI FXトレードで「1通貨」の取引に必要な資金は数円で済む。なので、このログインボーナスの500円を使って、自己資金ゼロでFXを始めることも可能だ。
「1000通貨」以下の取引が可能なFX会社を紹介!
先ほど、「FX業界では1000通貨を取引単位にする会社が多い」と紹介した。以前は1万通貨単位のFX会社が主流だったが、各FX会社の現在の取引単位はどうなっているのか? ここで改めて確認しておきたい。
■主要なFX会社(FX口座)の「最低取引単位」(2022年4月15日時点) | ||
FX口座名(FX会社名) (クリックで詳細ページへ) |
最低取引単位 | 公式サイトへ |
SBI FXトレード | 1通貨 | |
松井証券[MATSUI FX] | 1通貨 | |
マネーパートナーズ[パートナーズFX nano] | 100通貨 | |
外貨ex byGMO[外貨ex] | 1000通貨※ | |
トレイダーズ証券[みんなのFX] | 1000通貨※ | |
LINE証券[LINE FX] | 1000通貨 | |
JFX[MATRIX TRADER] | 1000通貨※ | |
ヒロセ通商[LION FX] | 1000通貨※ | |
外為どっとコム[外貨ネクストネオ] | 1000通貨※ | |
トレイダーズ証券[LIGHT FX] | 1000通貨※ | |
アイネット証券[ループイフダン] | 1000通貨※ | |
ゴールデンウェイ・ジャパン[FXTF MT4] | 1000通貨 | |
セントラル短資FX[FXダイレクトプラス] | 1000通貨 | |
FXプライムbyGMO[選べる外貨] | 1000通貨 | |
外為オンライン[外為オンラインFX] | 1000通貨※ | |
FXブロードネット | 1000通貨※ | |
auカブコム証券[auカブコム FX] | 1000通貨※ | |
ゴールデンウェイ・ジャパン[FXTF GX-FX] | 1000通貨※ | |
サクソバンク証券 | 1000通貨※ | |
楽天証券[楽天FX] | 1000通貨 | |
マネックス証券[FX PLUS] | 1000通貨 | |
マネースクエア[マネースクエアFX] | 1000通貨※ | |
楽天証券[楽天MT4] | 1000通貨 | |
岡三証券[岡三アクティブFX] | 1000通貨 | |
フィリップ証券[フィリップMT5] | 1000通貨 | |
インヴァスト証券[トライオートFX] | 1000通貨※ | |
ひまわり証券[ループ・イフダン口座] | 1000通貨 |
※一部通貨ペアは例外あり
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:1000通貨単位で取引できるFX会社はここだ!
主要なFX会社の多くで、最低取引単位が1000通貨なのがわかる。そして、1000通貨未満はSBI FXトレード、松井証券[MATSUI FX]、マネーパートナーズ[パートナーズFX nano]と、非常に少ない。
為替レートが低い「通貨ペア」を選んで少額取引
次に紹介するのは、「通貨ペア」から選ぶ方法だ。もう少し具体的に言うと、為替レートが低い通貨ペアを選んで少額取引をする方法になる。
この方法だと、1通貨や100通貨で取引する方法とは違い、1万通貨以上のポジションで取引しても、必要な証拠金は少なくて済む。
たとえば、2022年4月18日(月)現在、米ドル/円を1万通貨取引するには5万600円程度の証拠金が必要になる(1米ドル=126.50円、レバレッジ25倍で換算)。
一方、米ドル/円より為替レートの水準が低い通貨ペアの場合、同じ1万通貨取引でもカナダドル/円は4万60円程度、豪ドル/円は3万7340円、ニュージーランドドル/円は3万4120円程度となる。
■通貨ペア別の必要証拠金(主要通貨ペア)(2022年4月18日時点) | ||||
通貨ペア | 米ドル/円 | カナダドル/円 | 豪ドル/円 | ニュージーランドドル/円 |
1万通貨取引の 必要証拠金 |
5万600円 | 4万60円 | 3万7340円 | 3万4120円 |
適用レート | 126.50円 | 100.15円 | 93.35円 | 85.30円 |
つまり、為替レートの低い通貨ペアを取引対象にすることで、証拠金も少なくてすむというわけだ。
ただ、上の表を見てもわかるとおり、米ドル/円と比較すれば少額では済むものの、主要通貨ペアで1万通貨のポジションを建てようとすれば必要証拠金は数万円はかかるし、レバレッジを低く抑えようとすれば証拠金はもっと増えてしまう…。
そこで、1万通貨あたりの証拠金をもっと抑えて取引できる通貨ペアを、いくつかピックアップしてみた。
■通貨ペア別の必要証拠金(新興国通貨ペア)(2022年4月18日時点) | ||||
通貨ペア | メキシコペソ/円 | 南アフリカランド/円 | 中国人民元/円 | トルコリラ/円 |
1万通貨取引の 必要証拠金 |
2540円 | 3460円 | 7940円 | 3460円 |
100通貨取引の 必要証拠金 |
254円 | 346円 | 794円 | 346円 |
適用レート | 6.35円 | 8.65円 | 19.85円 | 8.65円 |
上の表にある4つの通貨ペアは、すべて新興国通貨が絡んだものとなっている。2022年年4月18日(月)現在では、1万通貨あたりにかかる必要証拠金は、メキシコペソ/円なら2540円、南アフリカランド/円とトルコリラ/円なら3460円、中国人民元/円なら7940円だ。
さらに1000通貨の取引量だと、メキシコペソ/円は254円、南アフリカランド/円とトルコリラ/円は346円、中国人民元/円は794円と、さらに少額でポジションを建てられる(すべてレバレッジ25倍の場合)。
主要な通貨ペアと比較すると、1万通貨でも1000通貨でも、証拠金がかなり少なくて済むことがわかる。その中でも、メキシコペソ/円の為替レートは非常に低く、4つの通貨ペアの中でも、もっとも少ない証拠金でポジションを建てることができる。
メキシコペソ/円は近年、取り扱うFX会社(FX口座)が非常に増えた通貨ペアだ。1通貨単位で取引できるSBI FXトレードと松井証券[MATSUI FX]でも取引できるので、1通貨なら実質3円でトレードが可能になる。
なお、メキシコペソに限らず、新興国は政策金利が高い国が多いので、新興国通貨を買うことで高いスワップポイント(スワップ金利)を受け取ることも期待できる。
【参考コンテンツ】
●メキシコペソ/円が取引できるFX会社を徹底比較! スワップポイントやスプレッドは?
ただし、新興国通貨の取引には注意が必要な点もある。それは、主要通貨と比べると、新興国通貨は為替市場で取引する参加者が少なく、流動性が低いので相場が急変動してしまうことがあるという点だ。新興国通貨絡みのポジションを建てる際は特に、資金管理に注意が必要と言える。
これからFXを始めようという人で新興国通貨の取引を検討している人は、自身が許容できるリスクを頭に入れながら取引することをおすすめしたい。
「損切レベル」を選んで少額取引(ノックアウト・オプション)
最後に、「損切レベル」から選ぶ方法として、ちょっと違う視点から、あるサービスを使って少額取引をする方法を紹介しよう。
そのサービスとは、IG証券が提供している「ノックアウト・オプション」だ。
ノックアウト・オプションは、あらかじめノックアウトレベルといわれる一定の水準にストップロス注文を必ず入れる必要があり、そこにレートが到達したら絶対にスベることなく約定するしくみを備えたFXのようなもの。

FXでは為替レートが100円なら、1万通貨あたり4万円、1000通貨あたり4000円の証拠金がかかるが、IG証券のノックアウト・オプションでは、自身が設定するノックアウトレベル(FXで損切りレベルにあたるもの)によっては、1000円程度のオプション購入額(FXで証拠金にあたるもの)で1万通貨の取引をすることができるのだ。
設定できるノックアウトレベルは、通貨ペアによっても違うのだが、米ドル/円だと10銭置きに設定でき、現在レートの近くに設定するほど、オプション購入額は少なくなる。

たとえば、その時点の米ドル/円のレートが1米ドル=105.00円だった場合、ノックアウトレベルを10銭下の104.90円に設定して「ブル(上昇)」を購入したときの、1ロット(1万通貨)あたりのオプション購入額は1200円しかかからない。このとき、手持ちの資金が1万円しかなかったとしても、計算上は8万通貨の取引ができてしまう。
もっと余裕を見て90銭下の104.10円にノックアウトレベルを設定しても、1万通貨の取引をするのに必要なオプション購入額は、9200円しかかからない。
ただし、「ノックアウトレベル=損切りレベル」なので、その時点のレートに近すぎるレベルを設定すると、すぐに損切りされてしまう可能性が高まる。この点には、ご注意が必要だ。
IG証券が提供しているノックアウト・オプションの詳しい説明については、以下の【参考記事】で行っているので、興味がある方には、ぜひ、ご覧いただきたい。
【参考記事】
●ノックアウト・オプション──それはリスク限定で利益が狙える新しい金融商品
●海外FXのハイレバ+ボーナスに潜むリスク。 これからは低リスクで効率よく高収益を狙う!
●自腹で検証! 為替もできる新商品の実態は!? 少ない資金で利益が狙えるしくみが魅力!
ここまで、FXの少額取引をする3つの方法を紹介してきた。これからFXを始めようと思っている人、少額取引に興味があるという人は、参考にしてみてはどうだろう。
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