先週の金曜日はこれまでの懸念材料が薄らいだ形となって、マーケット全体はリスクテークの流れとなった。米中の電話協議では、部分的ながらも合意文書の作成が待ちかだということだし、BREXIT問題も10月末の離脱だけは回避されそうになったからだ。
ニューヨーク時間では米国株は上昇し、とくにS&P先物は史上最高値まであと数ポイントの位置まで達した。ドル金利の上昇が鈍いのは、間近にFOMCを控えているからでもあろう。
ドル円は高値張り付きのままで、まったくの小動きが続いている。1日を通じても20ポイントほどの値幅しかなかった。米国株が一気に最高値を超えてこないと、ちょっと上値レベルを高値追いしているだけの根拠に乏しいということなのだろう。
確かにここらへんは最近のレンジの上限であり、109円台はいかにも重そうだ。ここからロングにしていくには、買って行ってもいいという安心感が必要だ。そのためにも109円台乗せが必要条件となる。テクニカル的にも明確なアップサイド・ブレークがないと押し戻されてしまうリスクの方が高いからだ。
一方でポンド。EUは離脱延期を認めたが、それでも期限は未決定のまま。それはイギリスの国内政治がどうなるか動向を見極めてからということがある。週初には下院を解散するかどうかの審議も始まるので、その結果を見てからになる。
どうせ離脱は延期することになるのは避けられないのだが、多少の不透明要因を残して月末を迎えることになる。それゆえかポンドは若干の調整を強いられているプロセスの途中だ。
今日は材料薄の一日となるが、今週は後半に重要なイベントが多い。アメリカの景気減速を測るためのGDP速報値が水曜日にあり、同じ日にはFOMCの結果が出る。また金曜日には雇用統計だ。
FOMCの直後であるので経済指標としての意味合いは低下しているはずだが、米国株が史上最高値に急接近している現状では市場のリスク許容度を探る上でも要警戒なのである。
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