昨日は日本がお休みだったが、市場のリスク許容度が高まった。まずは予定通りだったのだが、中国の交渉代表団がアメリカに到着したこと。これで目に見える形で米中協議の進展が見られたといことが、マーケットのムードを明るくした。
また地政学的リスクの後退も大きい。イランもアメリカも本気で戦争にならないための工作や宣伝に注力しており、実弾戦には踏み入れなさそうだという安心感がリスクテークの流れを強めた。
ドル円は先月来の戻し高値であった109.72を手前に足踏みしていたが、強力なレジスタンスになっているというわけだ。それが欧州序盤で上抜けに成功し、それがたまっていたドルショートの買い戻しに弾みを与えた。ドル円は110円ちょうどの手前まで進んだが、ニューヨーク時間では小動きだった、
中国が為替操作国から除外させるという報道がなされたが、これはあまり大きなインパクトを与えなかった。すでに関税を引き上げてしまっているので、為替操作国の認定を外したところで何も変わらないという判断だろう。
今日になってドル円は110円台に乗せてきた。短期的にはショート・スクイーズの側面が強いように見えるが、かといって積極的にドルを売り仕掛けていくような理由もない。
ところでイランがミサイルをピンポイント攻撃したことで、戦争に突入されるのが回避されたことになっている。アメリカの怒りを防いだのも、そのためとされている。トランプ大統領が怒り出すのはどこまでなのかを確かめた形となった。線引きは攻撃によって死者が出たかどうかにかかっているようにも見える。
これは次の北朝鮮のアクションを厳しいものにしかねない。すでに短距離の、アメリカに届かないミサイルの発射は事実上、容認しているトランプ政権だが、軍施設を攻撃目標にしても核心部分を外せば、それは許容される可能性が高まった。アメリカ側もあえて戦争には打って出たくはないという意思表示がされているということだ。
だから北朝鮮もミサイル発射で日本上空をまたいだにしても、それはすでに脅威にはならない。ちゃんと米軍基地を狙わないと、本気でやる気があるのか疑われるということにつながる。三沢や普天間、佐世保か座間基地の、コンクリートウオールの100メートル外側にミサイルを着弾させることができるのか。
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