先週の金曜日に続いて、昨日も米国株は大幅安となった。大幅安といっても、それは週明けのアジア時間ですでにグローベックスセッションで値下がりしてしまっていたので、ニューヨーク時間になってからの下げはほとんどない。
安いところを拾っておきたい人のビッドと、まだ売り切れてない逃げ遅れた人らの売りが拮抗し、ニューヨーク時間のコアタイムでは米国株は比較的に小さい値幅にとどまったといえよう。追随的に為替相場でも小動きな状態が続いた。
米国株は2日連続で大きく下げたとしたところで、その絶対水準はまだ高めである。少なくとも今月のレンジを考えてみれば、依然として月足では陽線を形成しているのだ。ということは月初のレベルからはゲイン分が残っているのである。
北朝鮮のクリスマスプレゼントも気にせず、イランのミサイル攻撃でも楽観視してしまって、それで膿がたまりにたまっている状態だとも言える。逆にいうと、かなり下がったと見えても、相場はまだまだ売っていけるだけの余地はたくさん残っているのである。
新型コロナウイルスのほうは、いまだにその実体がよくわかっていない。中国やアメリカなどからも防疫のための施策がとられているが、それがどこまで有効なのかわからない状態だ。
とくに2003年のサーズのときとのアナロジーで今回も予測しようとする動きがあるが、忘れてならないのは当時とは人の動きがまるで違うということである。中国人が「爆買い」などと言われ出す前のシナリオと比較してもダメなのだ。これからも感染者が増加することも大いにありうると考えてマーケットの望んだ方がよいであろう。
すなわち目の前の流れに乗って、安易にリスクオンの方向にポジションを傾けないことだ。安心感が戻ってくれば、相場は元に戻るのだと思いがちだが、それはたいへん危険なのである。
私としてもリスクオフの方向にだけポジションを持つべきだろうと考えている。ドル円でもユーロ円でも戻ってきたら、そこは売りのチャンスの場だと見て、リスク回避の動きが強まるほうに賭けてみたいものである。
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