昨日は夕方になって、中国の研究機関がウイルスに対する新薬の開発に成功したという報道が出た。真偽のほどはわからずとも、マーケットはすぐにそれに食いついた。グローベックスでは米国株が大幅上昇し、S&P先物は史上最高値に急接近した。これでウイルス絡みで下げていた分をすべて取り戻した格好となる。
欧州株や米国株の値上がり幅と勢いを考慮すると、その同じステージで上がったドル円の値幅は小さいものであった。30ポイントほど上がっただけである。一気に110円台のせしても良さそうな外部環境ではあったのに、高値追いの動きは見られなかった。
早々にWHOが「新薬開発の報告はない」と言って否定したことも要因であるが、ここから買い上げっても先が知れているという見方もあったのだろう。
ニューヨーク時間になってもマーケットの流れは変わらずで、米国株は一段高。史上最高値を抜けてきた。リスクオンムードはニューヨーククローズまで継続した。ドル円も109円台の後半までノロノロとではあるが上昇してきて、さらなる上値を伺っている状況だ。
しかし仮に本当に新薬ができたにしても、いまだに死者は増加しているし、中国経済の停滞していた分も、もう取り返しはきかない。積み上げの数字であるGDPなどは、減退分はもう戻っては来ないのだ。果たしてウイルス前の水準よりも高値を追っていくのに合理性があるのかどうか。
ちょっとリスクオンの方向にポジションを傾けるには危険ゾーンに入りつつある。連日で急騰していたテスラ株も、大きく反落してきてもいる。株価動向には注意を払っておく必要度がますます高まっている。
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