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元ゴールドマン・サックス 志摩力男氏に聞く(1)
100万ドル損失でクビを覚悟!? どう挽回した?

2020年02月26日(水)18:49公開 [2020年02月26日(水)18:49更新]

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 2020年2月5日(水)から、ザイFX!の新連載コラム「マーケットの常識を疑え!」を寄稿してくれている志摩力男さん。

 志摩さんといえばゴールドマン・サックス証券やドイツ証券など大手外資系金融機関でプロップトレーダー(自己勘定トレーダー)として活躍してきた資産運用のプロ中のプロです。

 今回から数回のシリーズで、そんな志摩さんの素顔に迫っていきたいと思います。第1回は、志摩さんが外資系金融機関に勤めていた時代にどんなトレードや経験をしてきたのかをレポートします(ザイFX!編集部)。

志摩力男氏プロフィール画像

■クウェート侵攻事件で地獄から天国へ

 「東京にSHIMAというディーラーがいるらしい――そう知ってもらえたのは、あの失敗を挽回してからでしたね」

 と振り返るのは、外資系銀行などでディーラーとして活躍した志摩力男さんだ。志摩さんが振り返る「あの失敗」とは1990年8月2日のこと。イラクがクウェートへ侵攻した日だ。

 「市場からプライスが消えた。混乱する中、買うべきなのに買えていなかったオーダーがあったんです。20本(※)のショートを抱えて5円ほど踏まれた状態、金額にすれば100万ドルほどの損失になる計算でした」

(※編集部注:1本=100万ドル)

米ドル/円 日足(1990年7月~10月)
米ドル/円 日足チャート(1990年7月~10月)

(出所:Bloomberg)

■100万ドルの損失を挽回し、大きな黒字に

 当時の志摩さんは大学を出てゴールドマン・サックス証券に就職後、3年目の若手ディーラーに過ぎない。100万ドルの損失は大きい。

 「クビを覚悟しましたが、幸いだったのは月初だったこと。月末までに自分の損益をクロ(黒字)にすれば助かると思ってふんばりました。その結果、70万ドルのクロで終われた。翌月以降、勝てるようになり、2か月後には大きくクロで終われた。含み益では10本にいくくらい儲かったんです」

 「東京で大きく儲けているヤツがいるらしい」とのウワサはニューヨークまで届いた。

 「為替ディーラーは悪い言い方をすれば『儲けたもん勝ち』の世界。次第に海外のトレーダーから『お前はどう思う?』と相場観を聞かれることも増えてきました」

 ところが、翌年は6本の大損に。

 「天下を取った気になった若造が手痛いしっぺ返しを食らった、ということですね。ただ、経験値も上がってきて、だんだん先が見えるようになってきた。それからは1年で15本、20本と儲けられるようになりました」

志摩力男氏写真

■為替ディーラーから「プロップトレーダー」に

 為替ディーラーから、株や債券、コモディティまで何でも取引できる「プロップトレーダー」へと職種も変わった。

 「プロップになり、外の銀行とダイレクトに取引するようになり、情報も取りやすくなりました」

 海外情報通でもある志摩さん。ザイFX!での連載やメルマガでも、日本のニュースでは見かけない情報を教えてくれたり、日本のメディアとは異なる解釈で金融市場の動きを解き明かしてくれることも多い。

■30年以上連続トップの有名アナリスト

 2019年12月にスタートした志摩さんの有料メルマガ「志摩力男のグローバルFXトレード!」から、一部を引用してみよう。

【参考記事】
志摩力男氏がザイ投資戦略メルマガに登場。FXメルマガの超大型移籍が実現したワケは?
1か月半で資金20%増を達成した政治経済に強いあの新FXメルマガが絶好調!

志摩力男のグローバルFXトレード!
2020年2月9日5:26配信
金曜日のNY市場ではダウが-0.94%ダウン、29,102へと値を崩しました。背景には主要な米エコノミストが中国経済の急低下を予想し始めたからです。以下に列挙します。

GS +4% (ただし第2四半期ではリバウンドし、年間ではわずかの下落)
JPモルガン +1.0%
エド・ハイマン 0%

エド・ハイマンは、この40年ぐらいエコノミストランキングで常に1位前後を獲得してきた人物です。米経済は強いけれども、中国では、誰も旅行しないし消費しない。観光客も減るので、ゆく先(日本やタイ)はインバウンド需要が大幅に低下する。0%となると、結構インパクトあるかもしれません。当然、リスクオフ方向の材料となります。

 ちなみにエド・ハイマンは金融雑誌による全米エコノミストランキングで30年以上連続して1位に輝いた人物だそう。

 日本にいては得にくい情報をわかりやすく解説してくれるのも志摩さんの特徴だし、その背景にあるのはディーラー時代に築いた実績と信頼でもあるのだろう。

■ゴールドマンを退職後、一時個人投資家に……!

 東京のみならずニューヨークやロンドンにも名を轟かせていった志摩さんだったが、ゴールドマン・サックス証券の次に選んだのは意外な道だった。

 「1995年に退職し、香港に向かいました。当時、香港では10銭くらいのスプレッドで個人が取引できるようになっていた。これならば会社に属さずとも、個人で勝てるのではないかと考えたんです」

 日本でFXが個人投資家に解禁されたのは1998年。株のネット取引ができるようになったのも同年だが、志摩さんは3年も先駆けて個人投資家としての自立を考えていた。

 「月に数十万円支払うロイターやチャートの機材を自宅に入れ、銀行のディーリングルーム同様にしました。最初は簡単に儲かり、これでいいじゃないかと思ったのですが、だんだん相場と自分の感覚がずれるようになりました

 特にミスター円こと、榊原英資氏が登場してから市場介入の方法がまったく変わりました。大量の資金により、強引に市場を動かす手法となり、僕もひどくやられ、何が本当にマーケットで起こっているのかわからない、難しいと考えました」

 インターネットが普及しておらず、コンプライアンスがまだ軽視されていた当時は、現場でしか知りえない重要な情報をいかに先取りできるかが勝負に直結する時代だったそう。しばらくして志摩さんは銀行のプロップトレーダーとして復帰した。

■「バンク・ネガラ」がリードした為替市場

 1980年代や1990年代の為替市場で影響力が強かったプレーヤーについて志摩さんはこんなふうに語ってくれた。

 「一部の大きなプレーヤーの影響が強い時代でした。1980年代はロシア中銀やスイスの超富裕層が活躍しましたが、次いで登場したのが『バンク・ネガラ』です」

1990年代前半は、マレーシアの中央銀行であるバンク・ネガラが投機的な動きで市場を翻弄した時期だったという。

 「派手なトレードをしており、彼らに追随しているだけで儲かった時代がありました。そんな時代には、バンク・ネガラの手口を知ることが勝つための最短ルートになる。そのためにネガラと取引する銀行のセールスと積極的に取引し、優良顧客となり、情報を優先的に教えてもらうように努力しました。今のようなインサイダー情報に厳しい時代には考えられないことですね」

 そんなバンク・ネガラだが最終的には数百億円の損失を出し、担当者は有罪になったという。

志摩力男氏写真

1990年代前半は派手なトレードをしていたバンク・ネガラに追随しているだけで儲かった時代だったと志摩氏は振り返った

■1998年の米ドル/円暴落は「LTCMショック」ではなかった

 「1998年の相場も印象的でした」

 アジア発の通貨危機がロシアや中南米へ伝染した1998年8月、日経平均は2500円の下落となった。その2ヵ月後の1998年10月に発生したのが、一般には「LTCMショック」として知られる金融危機だ。

【参考記事】
YEN蔵さんに聞く為替ディーラーの世界(3) ドル/円が3時間で10円下がった暴落相場
ノーベル賞を信じるな!? 巨大ヘッジファンドLTCM破綻の余波で米ドル/円が22円暴落!
リーマン・ショックにアベノミクス相場! プレイバック、平成30年間の米ドル/円相場

 「LTCMショック」は巨大ヘッジファンド「ロングターム・キャピタル・マネジメント」が事実上破綻したことから名付けられたが、志摩さんによると実際には「LTCMショック」ではなかったという。

 「実際には、『タイガーファンド・ショック』でした。タイガーファンドはジュリアン・ロバートソンが率いていたヘッジファンドです。1998年当時、タイガーファンドは米ドル/円をロングすると同時に日本の銀行株を大量にショートしていました」

 この頃は、北海道拓殖銀行や日本長期信用銀行、日本債券信用銀行など行き詰まる銀行が続出した時期。米ドル/円ロング&銀行株売りは「日本売り」のポジションとも言えた。

 「タイガーファンドの米ドル/円ロングは推定6、7万本。当時のルービン米財務長官が『強い米ドル』を標榜し、米ドル高に対する介入を行わない姿勢を示していたことも背景にあります」

■狙われた「128円のストップ」

 米ドル/円は1年で30円近く上昇し、タイガーファンドは順調に収益をあげていた。

 「1年で50%近い収益があったはずです。ところがアジア通貨危機などで米ドル高が小休止してしまった。当時の僕は知りませんでしたが、タイガーファンドにプライム・ブローカレージ・サービスを提供している銀行との間で『128円を切ればタイガーファンドにマージンコールがかかり、強制ストップロスが発動される』ことになっていたようです。しかも同じような『コピーキャット(猿マネ)』のファンドがたくさんいましたから、実際にはさらに多くのストップがついたでしょう」

1998年10月、ストップロスの連鎖により、米ドル/円は136円から111円へと大暴落した。

米ドル/円 日足(1998年8月~1998年11月)
米ドル円 日足 1998年8月~11月

(出所:Bloomberg)

■ドイツ証券のプロップディーラーに

 銀行のプロップディーラーとしてタイガーファンド・ショックを経験した志摩さんは2006年にドイツ証券に移った。

 このとき、志摩さんに声をかけたのは、ゴールドマン・サックス証券やメリルリンチ証券、ドイツ証券などで活躍した債券ディーラーの松村嘉浩さん。

 偶然にも、松村さんはダイヤモンド社から書籍『なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?』を刊行している。ゴールドマン時代の仲間が、ひとりは著者として、もうひとりはメルマガ発行者としてダイヤモンド社グループで再会したことになる。

■「隠れQE」の背景にあるヘッジファンドの事情とは?

 「債券市場についてわからないことがあれば、今も松村さんを始め、多くの友人に話を聞きます。昨年9月に起きた『レポショック』についても――」

 2019年9月、資金需要が逼迫し、レポ金利(国債などを担保にした短期資金の金利)が通常の2%付近から10%へと急騰した。現在、FRB(米連邦準備制度理事会)が行っている「隠れQE(量的緩和)」も、このレポショックがきっかけだ。

【参考記事】
米ドル/円は109.50円と110円に2段構えのバリア!? 抜けないなら手前で戻り売りか(2019年11月11日、西原宏一&大橋ひろこ)
今の株高は欧米のQEによるカネ余り相場!? 英ポンドは総選挙に向けた上昇に期待!(2019年11月18日、西原宏一&大橋ひろこ)

 「ある意味、トランプ大統領がレポショックの演出役だったという見方もできます。レポショックの直接の理由はわかっていませんが、米国で資金需要が高まっていることは事実です。ヘッジファンドは業績が好調で、レバレッジ比率が上昇し、短期資金の需要が高まっています。その結果、米銀の債券部門も好業績です。その根本にあるのはトランプ大統領の株高政策です」

 株高を追い風にヘッジファンド勢はさらに勢いづく。

 「ヘッジファンドは成績が好調であれば、レバレッジを高めてさらに儲けようとするし、レバを高めれば資金ニーズも高まります。そうした背景に、法人税の納付期限や米債入札の決済日などが重なり、レポ金利が急騰しました。その結果、FRBは債券の買い入れを復活させたんです。そして、それが隠れQEと言われ、ますます株価を上昇させ、レバレッジ比率も高めるという循環になっています」

 志摩さんは隠れQEのきっかけとなったレポショックがどんなふうに起こったのかということをこんなふうに解説してくれた。

 ゴールドマン・サックス証券やドイツ証券、ヘッジファンドで経験を積み、現在は個人投資家として取引しながら、貴重な情報を配信してくれる志摩力男さん。原則毎週水曜日に更新されるザイFX!の新連載「マーケットの常識を疑え!」に注目を!

「元ゴールドマン・サックス 志摩力男氏に聞く(2) 乱高下した英ポンドで利益を出せたワケは?」へつづく)

(取材・文/高城泰 編集担当/ザイFX!編集部・藤本康文 撮影/和田佳久)


【ザイFX!編集部からのお知らせ】

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 世界情勢の解説に定評がある志摩氏。その分析に基づいたポジションや、実践的な売買アドバイスのメールがほぼ毎日届きます。スウィングトレードが中心なので、日中は仕事をしている人にも向いているメルマガです。

 また、志摩氏が購読者の質問にメールで直接答えてくれるため、FX初心者やFXの理解を深めたい人に最適です。

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