昨日のニューヨーク株が始まった直後に、FEDが電撃利下げを行った。50ベーシスの利下げ幅だったが、電撃的と言うことに反応しただけで、マーケットのリスク回避にはあまり影響を与えなかったようだ。発表されたときには進んで株高ともなったが、相場がキープできたのは15分ほどだけだった。
米国株はすぐに反転、下落し、大幅安に成るくらいにまで売り込まれた。ナイトセッションンの日経先物は20675円まで売り込まれ、これは昼間の高値の21730円から見ると1000円以上の値下がりである。
そもそもが3月のうちに50ベーシスの利下げは市場に織り込まれていた。問題はいつやるかということだけだった。電撃的にやるのか、来週のECBと同時に利下げすることで協調姿勢を明確に打ち出すのか、それとも順当にFOMCで利下げするのか。
ともかくも先週まで利下げはないと主張していたFEDメンバーの全員も、今回の利下げには賛成しているというのだから、これはかえってマーケットからの信頼感を失うことにもつながる。昨日のリスクオフはそうした側面のほうが強いのであろう。
ドル円も朝がたには108円台の前半であったものが、いとも簡単に107円台へ逆戻り。日本株の値崩れを目撃しては、もうドル円をロングで攻めていこうという意欲はなくなったようだ。売りそびれた連中の投げ売りと戻りのオファーで相場のほうが断然に重くなってきた。
そしてFEDの電撃利下げでドルは全面安に。ドル円も107円台の前半まで押し込まれた。もっと下がらないのは、一方で米国株が上昇していてリスクオンの流れもあるからだ。しかし米国株も下落の途につくと、ドル円は106円台突入。その後の値の戻しも限定的だった。
ところでポロポロとスーパーチューズデイの結果が出はじめている。民主党の候補がほぼ3人に絞られてきて、その中での争いの形となっている。当面は中道のバイデン候補が勝つか、ブルンバーグ候補が勝つかが焦点となる。次にサンダース候補と戦う相手を決めるためである。
しかし本戦と違って予備選は総取りではなく比例配分なので、大きな差がつくことはない。今回の勝利が即、候補者の一本化につながらないのだ。決定的でない分だけ、マーケットに与えるインパクトも限られると思われる。
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