コロナ騒動の後のもっともリスクフルの状態で、アメリカの雇用統計を迎えることとなった。米国株の代表であるS&P指数は3130ポイントあたりが戻し高値であったが、アジア時間ですでにその位置を越えて指標の出るのを待っている格好となった。
リスクに敏感とされるクロス円、なかでもユーロ円は124円台まで上昇している。戦後で最悪の失業率が出るだろうというのに、それがわかっていてのリスクテークである。
失業率は事前の予想では20%くらいに達すると見込まれていた。これは5人に一人が失業してしまっていることを意味しており、失業保険の申請件数などとも整合する。
これと結果を比べてどうのこうのということはない。すでにコロナ後のリカバリーを注視しているからだ。どうせなら思い切り悪い数字を目にしたいという嗜虐的な乗りでイベントを迎えた。
アメリカの雇用統計は予想されたものよりも良い結果となった。就業者数は大きなマイナスが見込まれていたのにもかかわらず、250万人の増加となった。
すでに増加に転じていたということで、底打ちの時期はもうとっくに終わっているとの見方に確信を持てた格好だ。失業率も13%台にとどまって、不安視されていた20%台の、つまり5人に一人の失業という状態は実現しなかったことになる。
これでマーケットでは最後のリスクテークとも言うべき、ポジション調整をともなったリスクオンとなった。米国株は指標の発表前にすでに大きく伸びていたのだが、それが続伸する形となった。
ナスダック指数は史上最高値までもうちょっとというところまで来ている。為替相場ではドル円もユーロ円も上昇。ユーロ円は124円台に乗せてきて、結局のところ、120円テイクンからは素通りで吹き上がったということになる。
ユーロ円に限らず、ポンドドルも高い。高値は1.27台まで吹き上がってきた。これらリスクテークの対象となったものが値をちゃんと保てるのかどうか、それが今週の見どころとなる。
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