アメリカの雇用統計は良かったと言えるだろう。就業者数は480万人の増加で、失業率は11.1%だった。いずれも予想よりも良かったのだが、コロナ騒動の最中のことなので、多少の数字のブレはまったく無視される。
それでも発表直後はリスクテークの流れが強まった。すでにグローベックスセッションにおいてフロントランニング的に米国株は買い進まれていたが、それが一段高。しかし独立記念日の休みを控えているせいか、株価の上げ幅は限定的だった。
ドル金利がやや上昇する方向で素直に反応したので、為替相場でもドル高が進んだ。しかし激しいドル買いではなかった。ドル円に至っては上がったところにも下がったところにも注文がびっしりという感じで、30ポイントほどの上昇がせいぜいだった。
私としてはユーロドルを売ってみたのだが、これもあまりワークせず。売り込んだ後は相場が下がらない時間が長く感じられるほどだった。ニューヨーク勢の早めの手じまい売りも手伝って、最終的に米国株はそれまでのゲインを吐き出した。
むろんコロナウイルスの感染者数が米国内だけで5万人を越えてくるなど、警戒感も強まっているのも事実だ。6月下旬からコロナ感染状況が悪化してきており、それにともなって活動停止に再び追い込まれている地区も出てきている。
それが今回の発表文の雇用統計にはまだ含まれていない。今後のデータがV字回復にはほど遠いものになりそうだとの懸念も出てきている。これが7月相場の目先のムードを重苦しいものにしそうである。
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