日本の休みの間を通じて、為替相場ではドル安が進んだ。ドル円は105円台に突入し、ユーロドルは1.16台に乗せてきた。これはヒューストンの中国領事館の閉鎖で緊張が高まったところに、中国も報復で成都の米領事館を閉鎖したからだ。米中関係の悪化が懸念されたのである。
すでに米中関係は悪化の傾向をたどっていたので、特段にリスク回避が起こったわけではない。米国株も下がるには下がってはいるが、いかんせんレベルが依然として高すぎる。
S&P指数は3200ポイント台であるし、ナスダック指数も1万台のままである。ちょっと目先の高値警戒感を触発しただけというのが現状であろう。
マーケットの見方としては、ドル円もレンジの下限だと甘く考えているようだ。確かに105円台というのはテクニカル的に見ても固そうだ。コロナ感染来のドル高で拾い損ねたと感じているプレーヤーにとっては、どうしても買っておきたいと思うであろう。
1回目は拾ってみてもいいかもしれないが、2回も3回も下押しするならば要警戒である。また一方でユーロ買いも止まっていないが、果たしてこのまま安直についていっていいものかどうか。
確かにEU復興ファンドでの合意はかなったが、あれはあくまでも第一弾の合意である。これから使途不明金がでないように様々な縛りが設けられることになり、それに対する交渉は難航を極めることが予想される。
今週はFOMCがあるが、感染者数の拡大もあって景気見通しは悪いものが呈示されるだろう。それによってマイナス金利に向かっての議論も活発化するかもしれない。
2022年までの低金利を維持するという決意表明だけでは何もしないことと同じになるのをマーケットが恐れるかも知れないからだ。最近は値動きが小さい米長期債の動向には特に要注意となる。
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