昨日も海外市場では為替相場が行って来いの展開となった。欧州時間ではドルの上値攻めをしていたのだが、ニューヨーク時間になると流れは反転。一変してドル売り優勢となった。
ドル円は大きな下げトレンドの中でのボックス圏を形成しそうだ。104円台から106円台の間である。ドル円は戻ってくると買いたくなってしまうが、106円台まで来ると注意を払わないといけないところだろう。
昨日は米国株が一段高し、コロナ騒動以来の戻し高値を抜けてきている。S&P指数は3300ポイントをつけており、史上最高値まであとわずか。またナスダック指数は過去最高値を更新している。これは景気対策第5弾への期待もあるのに加えて、ワクチン開発などの良い面だけを組み入れている表れでもある。
株高だからマーケットは大いにリスクオンのはずだが、昨日のニューヨーク市場ではドル金利を中心に金利の低下が目立った。ドルは短期金利も長期金利も低下の度合いを強め、金利安に呼応したコモディティの押し上げも強まった。金価格は先物ベースでも2000ドルの大台を突破してきて、次は短期勢の買い戻しストップを誘っている状況だ。
今晩は雇用関連、貿易関連などの経済指標が出てくるが、個別に反応することはあっても、それがマーケットに大きく影響を与えることはなさそうだ。すでに市場は夏休みモードに入っているようで、エネルギーに欠ける。
それよりも重要度を増してきているのはドル金利の低下である。短期金利は誘導目標であるゼロ近傍でウロウロしているが、長期金利は過去最低水準に近づいている。債券先物の価格ベースで言えば、史上最高値までに10ポイントほどしか残されていない。これを越えてくるようだとドル円もボックス圏を抜け出して、一段安の可能性も高い。
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