昨日は欧州でワクチンの供給懸念が高まって、EUサイドも強硬な態度に出てきたことで市場に不安を与えた。今までワクチンの配布で感染拡大に歯止めがかかるという思惑でリスクテークしてきた流れに急ブレーキがかかった格好となった。欧州株は大きく下落し、それがニューヨーク市場にも影響を与えた。航空機大手のボーイングの決算がアナリスト予想を遙かにしのぐ悪さだったのも、それに貢献している。
欧州での不安増大でユーロが安くなった。ユーロドルは前日の高値圏でステイしていたのだが、1.21台の前半まで落ち込んだ。材料的にはここで下げ止まる感じでもない。私はユーロドルを少々売って持っていたが、それを売り増してニューヨーク時間に引きずった。
ユーロドルは1.21台を割り込んできて、1.2060あたりまで安値を拡げた。しかしこれも前回の安値近辺だ。ということはテクニカル的にもサポートされるかもしれない。そう思って私は1.2071で買い戻した。もちろんユーロをベア目で見ていることに変わりはない。
大幅安で始まった米国株も、その後は静かになったのはFOMCに向けての様子見である。そのFOMCではコロナ感染の脅威が再確認されることとなった。声明文の中では景気判断が下方修正され、パウエル議長の発言でも回復までにはほど遠いことが示された。
別枠で注目を集めていたのは、資産バブルについてである。一部のセクターでは株価の変動が激しくなっている。簡単に2倍にもなったりしているが、それを放置するのかどうかである。金融政策を動かさなくても、バブルに対しての懸念を示せば、それは即引き締めと同じ効果を持つ。
しかしリモート会見の中で記者への質問には、これに関しては回答を拒み、モニターし続けると言っただけであった。これが米国株への換金売りを誘い込んだ形となって、米国株は一段安となった。3ヶ月ぶりの下げ幅を演じた。
今晩はGDP統計が出る。プラス4.5%アラウンドが予想されているが、市場の関心は昨日の大幅安の後の米国株の行方だろう。このまま調整を続けると本格的な下げ相場要りしてしまい、リスク回避が必要となる。ドル円ものんきに押し目買いをやっている場合ではなくなる。
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