発表されたバイデン構想は、だいたい想定の範囲内だった。また規模がマックスではなかったため財政への負担も当初に心配されたほどでもないだろうということで、長期金利の上昇は起こらなかった。むしろ昨日のマーケットでは欧州時間から長期金利の低下傾向が際立ってきて、それが市場に安心感を与える形となった。
米国株は堅調に推移し、S&P指数は節目の4000ポイントの大台を上回ってきた。言うまでもなく史上最高値。それに比べると為替相場での値動きは乏しかった。ドル金利を反映してドル安には向かったのだが、値幅は小さいものにとどまった。
今週から欧州域内でも夏時間に移行したが、サマータイム制は今年で最後になるようだ。来年からは夏時間に移行しない。これは以前からずっと議論されてきたことでもある。日本でもサマータイム制の導入が長らく議論されてきたが、長時間労働を助長するだけといった保守的な見解が強く、長らく実現の運びにはならなかった。しかし今回の欧州の措置は、日本を含めたアジア各国でのサマータイム制をより遠いものにしたようである。
しかしコロナ感染の拡大を通じて、またトランプ政権の終了を契機に、地球環境の大切さがより重視されてきている。脱炭素やグリーンニューディールが盛んに叫ばれている。そこでサマータイム制をなくすのならば、デイライト・セービングズの名前にふさわしいように、夏時間に一本化すればいいのに、冬時間で統一された。できることは何でもしたいところであるが、せっかくのチャンスを逸したようにも見える。
今晩の雇用統計は良いものが見込まれている。就業者数は60万人以上の増加だと予想されている。これはロックダウン解除や制限緩和などの効果が現われてきているのだから、このくらいの数字が出ても驚かないといった感じだ。仮にもっと大きな数字が出てきても、それが巨額のインフラ投資の計画が示された後とあっては、見劣りがする。材料視されない可能性が高い。
ともあれ今晩は雇用統計が出てしまうと、後はイースター休暇モードに入る。早々にマーケットからは市場参加者が減っていき、動かなくなるだろう。
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