週明けのマーケットは激しいリスク回避で始まった。そもそも先週末の米国株が大幅安の上、安値引けしていたのが大きかった。安値引けしているということは、まだ売りたい人、売らなくてはいけない人がぜんぜん十分に売れていないということだ。それだけでも売り要因である上に、週末にはそれをサポートするようなコメントも出てこなかった。こうなるとアジア時間からリスク回避に走らざるをえない。
日経先物が12000円安ほどを演じていたが、このうち半分は先週末のニューヨーク時間で下げてしまっているから、月曜日に落ちた分というのは600円ほどである。それでも一段安するだけのパワーがあったのかというのは市場の驚きであった。米国株もグローベックスで大きく下げる中、安全資産への回避から米国債も値を上げた。10年ものの利回りはアジア時間で1.35%台を見るに至った。
ドル相場もドル金利の動きに合わせる形となったが、リスクに敏感とされるクロス円の動きはさらに明白で強烈だった。ユーロ円はリスク回避とともに130.04まで安値をつけた。
しかし東京終盤から欧州序盤にかけて株価の底打ち感が表れ、それが市場のリスク許容度の回復をもたらした。ニューヨーク時間にシフトしてもリスクの見直しの流れは変わらず、米国株は一段高へと向かった。ユーロ円も反転・上昇し、131円台のミドルまで戻して、そのまま高値引けしている。
ニューヨーククローズ後にパウエル議長の声明が出されたが、「市場にリスクは残る」とするもの。マーケットが早期の緩和解除を織り込もうとする動きを牽制するためだろう。話しの内容は今晩話す予定だった議会演説からのものらしい。その分だけ、今晩のパウエル発言には関心がなくなってしまっている。
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