先週の金曜日は株価の高値恐怖症も手伝って、なんとなく不安が再燃した。アメリカの小売り関連の指標は確かに良かったのだが、それが国内景気の回復に自信を回復させるにはいたらなかった。東京オリンピックを前にして、世界的にコロナ感染の再拡大が起こりつつあることもある。とりあえずリスク商品は利食っておこうという意欲が強まるのも仕方のないところだ。
ニューヨーク時間の午後からはそうしたリスク回避の動きはいっそう強まって、米国株は週の安値近辺で引けることとなった。それと同時にリスクに敏感とされるクロス円も重たくなってきた。ユーロ円は再び130円の大台を割り込んできた。
ユーロ円はまだまだ売っていけそうな気もするのだが、動きが鈍いため突っ込み売りをしていく機会を逸してしまった。もしもここからユーロ円がさらに下げるのであれば、それは相当に本格的な下げにつながるものとなる。丁寧に売り場を探していけば、これから起こるかもしれないクロス円のダウントレンドについていくのに遅すぎるということはないだろう。
今週はイベントが少ない。また週の後半はオリンピックのため日本がお休みに入るので、アジア時間の動意も乏しいものとなるだろう。株価の調整が課題に出てしまうと、それはドル金利の低下をもたらす。現在はドル相場が高い水準に張り付いているが、これが反転・下落に向かう可能性もある。マーケットはダイナミックな動きを示さないとは思うが、ドル円の下げる局面については注意を払っておきたい。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)