つまり、暴落によって異常に安いところで南アフリカランド/円を売らされた投資家がいる一方、異常に安いところで南アフリカランド/円を買えたラッキーな投資家はいなかったことになる。
そして、8.415円のビッドが約定したあと、8.435円のビッドも約定。結局、くりっく365の南アフリカランド/円の終値は8.435円ということになった。ちなみにこの時のアスクは11.535円だ。
以下の画像はこの時のくりっく365の「マーケット情報」だが、南アフリカランド/円には約3円あまりの巨大なスプレッドが開いていたことがわかる。

■救済措置発表でまずは良かったか…
次に、今回発表された救済措置だが、投資家が希望を出せば、以下のことが行われることになった。
(2)異常な価格で約定した南アフリカランド/円の取引を直接の起因とするロスカット取引について、当該価格での反対売買を行う。
この措置は2009年11月13日(金)の15時まで、その投資家が取引をしていたFX会社で希望を受け付ける。受付には期限があることに要注意! 今回、損失をこうむった人は希望を出すことをお忘れなく!
ただ、このような措置を行わないで、これまでの取引を継続したい人は希望を出さなければOKだ(このまま取引を継続した方が儲かっているという人がもしいれば、希望を出さなければいい)。
今回の事件に絡む思惑から、11月2日(月)の東京市場では、ランド安・円高が進み、その他の通貨ペアもこの影響を受けて、円高が進んだようだ。
ただ、その後はランド高・円安に反転し、南アフリカランド/円は一時12円をつけるところまで回復してきた。つまり、あの“事件”が起こる直前のレートを上回ってきているのだ。

南アフリカランド/円の一件について、一時はどうなることかと思われたが、異常な事態に対する救済措置が今回発表されたことで、とりあえずは一安心といったところだろうか。
(ザイFX!編集部・井口稔)
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