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GW直前に「スワップ8倍デー」! 高金利通貨の
代表格、メキシコペソや南アフリカランドで
稼げるスワップの金額を計算してみた

2022年04月21日(木)19:05公開 (2022年04月21日(木)19:05更新)
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GW直前! スワップポイントを8日分受け取れる「スワップ8倍デー」が到来

  テレビのCMで毎年見かける春のお祭りと言えば、「ヤマザキ 春のパン祭り」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、2022年の春、FXの世界ではまるで「春のパン祭り」のような、いや、それ以上の「祭り」が発生しました。

米ドル/円が129円台と約20年ぶりの高値を更新して、「春のパン祭り」ならぬ「春の円安祭り」となったのです!

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 そんな盛り上がりを見せるFXの世界で、今度は、GW(ゴールデンウイーク)に関連したお祭り的なイベントが予定されていることをご存知でしょうか? そのイベントとは「スワップ8倍デー」です。
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 「スワップ8倍デー」というのは、スワップポイント(スワップ金利)を8日分まとめて受け取ることができる日がある、ということにちなんで、ツイッター界隈などで使われている造語ですが、要は、GWで日本の銀行が休業する分を前倒しするために、多くのFX会社でスワップポイント8日分をまとめてもらえるオイシイ日があるのです! これは見逃せません!!

 スワップポイントの付与日程は、各通貨ペアやFX会社によって異なるのですが、調べてみると、おおむね以下の日程で対象通貨ペアに「スワップ8倍デー」が訪れることがわかりました。

米ドル/円やクロス円のスワップポイント付与日数
米ドル/円やクロス円のスワップポイント付与日数

※すべてのFX会社が表のスワップポイント付与日数を採用しているわけではない。スワップポイントをまとめて付与せず、規則正しく付与するFX会社もある

 米ドル/円とメキシコペソ/円、さらに、表に記載した英ポンド/円など以外のクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は、4月26日(火)がスワップ4倍、4月27日(水)がスワップ4倍、2日間合計でスワップ8倍となります。2日間にまたがりますが、合計すると「スワップ8倍デー」です。

 また、英ポンド/円とトルコリラ/円は、日本のGWに加えて、英国とトルコで5月2日(月)が祝日となる関係から、4月26日(火)が「スワップ8倍デー」です。

 南アフリカランド/円は、日本のGWに加えて、南アフリカで4月27日(水)と5月2日(月)が祝日となる関係から、4月25日(月)が「スワップ8倍デー」となります。

「スワップ8倍デー」で、どの通貨ペアを取引すればおトクなのか?

 スワップポイント8日分をまとめてもらうなら、1日分のスワップポイントが高い通貨ペアを取引するほうが断然おトク

 各通貨ペアのスワップポイントの高さを比較するうえで事前に確認しておきたいのが、各国の政策金利です。スワップポイントは2カ国間の金利差によって発生しますので、簡単にお伝えすると、できるだけ低金利の通貨を売り、できるだけ高金利の通貨を買うことでより多くのスワップポイントを得ることができます。

 今回紹介する「スワップ8倍デー」は、GWで日本の銀行が休業することに絡んで生じるイベントですから、当然、円が絡んだ通貨ペアで8日分のスワップポイントを狙います。つまり、低金利の円を売り、できるだけ金利の高い通貨を買う取引をすれば、「スワップ8倍デー」でより多くのスワップポイントをもらえるというワケです。

 さて、2022年4月18日(月)現在、各国の金利はどうなっているのでしょうか? 

 主要国や高金利で有名な新興国の政策金利を調べてみると、以下のようになっていました。

主要国や高金利な新興国の政策金利(2022年4月18日(月)時点)
主要国や高金利国の政策金利(2022年4月18日(月)時点)

※米国は0.25~0.50%のうち、0.50%を表記

 まず、主要国の政策金利を高い順に見ていくと、ニュージーランドが1.50%、カナダが1.00%、英国が0.75%、米国が0.50%と続きます。ちなみに、日本はマイナス0.10%と最下位。

 日本を除けば、コロナ禍で主要国がゼロ金利の状況だった2020年や2021年と比べると、2022年の政策金利はジリジリと上昇中です。

 けれど、「スワップ8倍デー」で、できるだけでオイシイ思いをするためには、より高いスワップポイントを狙える、金利が高い通貨の方が好ましい…。紹介したとおり、主要国の政策金利がそれほど高くないことを考えると、8日分のスワップポイントは発生するものの、「『スワップ8倍デー』で、できるだけでオイシイ思いをする」という一点にかけるなら、ここでは米ドル/円、英ポンド/円、ニュージーランドドル/円、カナダドル/円といった通貨ペアの取引は、あえて避けたほうがよいかもしれません。

 では、高金利で有名な新興国の政策金利がどうなっているかというと、上の表のとおり、トルコが14.00%、メキシコが6.50%、南アフリカが4.25%となっています。先に紹介した主要国に比べると、ずいぶん高金利です。

 ただし、トルコについては注意が必要です。トルコは、14.00%と政策金利の高さが目立つものの、高インフレにもかかわらず、エルドアン大統領が低金利政策を強行している影響などから、トルコリラ/円が2021年12月に6円台の史上最安値を更新。現在も不安定な状況が続いており、多くのFX会社が原則固定スプレッドの提供を中止しています。

 詳しくは後述しますが、「スワップ8倍デー」トレードでは、スワップポイントの高さに加えて、取引にかかるコストの観点からスプレッドの狭さが大事になります。「スワップ8倍デー」トレードでなければ、検討の余地はあるかもしれませんが、少なくとも「スワップ8倍デー」トレードでは、スワップポイントが高いという理由だけで、トルコリラ/円を選択肢に入れないほうがよいでしょう。

 その点、メキシコペソ/円や南アフリカランド/円は、高いスワップポイントに加えて、トルコリラ/円に比べると安定して狭いスプレッドも期待することが可能です。そこで、本記事では、メキシコペソ/円と南アフリカランド/円での「スワップ8倍デー」トレードを、詳しく取り上げていきたいと思います。

メキシコペソ/円なら、2日間合計スワップ8倍でいくらもらえそう? オススメのFX会社は?

 まず、メキシコペソ/円の「スワップ8倍デー」トレードから見ていきます。

 記事冒頭で触れたとおり、メキシコペソ/円は4月26日(火)がスワップ4倍、4月27日(水)がスワップ4倍、2日間合計でスワップ8倍です。いったいどのFX会社で「スワップ8倍デー」トレードを行うのが、もっともおトクなのでしょうか?

 記者が、主要FX会社のメキシコペソ/円1万通貨あたりの買いスワップポイントについて、4月1日(金)から4月15日(金)までの平均を算出したところ、特にスワップポイントが高かったのは、以下の2社でした。

●1万通貨あたり、1日あたりのメキシコペソ/円の平均スワップポイントが高いFX会社
LINE証券「LINE FX」…10.27円
SBI FXトレード…10円

 上述のとおり、2社しか紹介していないのは少し寂しい感じもしますが、実は同様の計算を行うと、他にもメキシコペソ/円の平均スワップポイントがLINE証券「LINE FX」やSBI FXトレードと同水準のFX会社は存在します。

 それは、アイネット証券「ループイフダン」(平均10.82円)、ヒロセ通商「LION FX」JFX「MATRIX TRADER」(平均10.2円)です。また、FX会社ではありませんが、くりっく365(平均10.09円)も平均スワップポイントは高いと言えます。しかし今回、「スワップ8倍デー」トレードを行うFX会社の候補から、これらは除外しました。

 というのも、アイネット証券「ループイフダン」ではスワップポイントを金曜日に3日分、金曜日以外の平日は1日分、規則正しく付与されます。また、ヒロセ通商「LION FX」やJFX「MATRIX TRADER」もスワップポイントの付与が規則正しく、水曜日が3日分、水曜日以外の平日が1日分です。つまり、これらのFX会社は、2日間合計でスワップ8倍というカタチでの付与が行われず、当記事のテーマである「スワップ8倍デー」が存在しないのです

 また、くりっく365については、2日間合計でスワップ8倍になる「スワップ8倍デー」は存在するのですが、取扱い会社によっては注文方法次第で手数料がかかることもあるため、今回は除外しました。

 それでは、LINE証券「LINE FX」、SBI FXトレードにおいて、「スワップ8倍デー」の実質利益がどのようになるのか計算してみましょう。あくまで目安ではありますが、メキシコペソ/円の平均スワップポイントを8倍し、スプレッド分の取引コストを差し引いた「実質利益」は、以下のように計算できました。

メキシコペソ/円1万通貨の「スワップ8倍デー」の実質利益
メキシコペソ/円の「スワップ8倍デー」の実質利益

※各FX会社のスプレッドは2022年4月18日(月)時点

 まず、LINE証券「LINE FX」ですが、1日あたりのメキシコペソ/円の平均スワップポイントである10.27円を8倍すると82.16円。0.3銭原則固定のスプレッドは30円のコストになりますから、実質利益は52.16円

 SBI FXトレードは、1日あたりのメキシコペソ/円の平均スワップポイントが10円で、8倍すると80円。0.2銭のスプレッドは20円のコストで、実質利益は60円と計算できます。

1日あたりのメキシコペソ/円の平均スワップポイントはLINE証券「LINE FX」のほうが高いのに、「スワップ8倍デー」の実質利益が高いのは、メキシコペソ/円のスプレッドが狭いSBI FXトレードということになりました。

 先ほど「『スワップ8倍デー』トレードでは、スワップポイントの高さに加えて、スプレッドの狭さが大事」と書いたのは、スプレッドの狭さが「スワップ8倍デー」の実質利益を大きく左右するからです。

 もっとも、LINE証券「LINE FX」でも、SBI FXトレードほどではないものの、「スワップ8倍デー」で実質利益は出る計算結果になりましたから、こちらで取引しても、そこそこオイシイ思いができそうではあります。
【※関連記事はこちら!】
メキシコペソ/円が取引できるFX会社を徹底比較! スワップポイントやスプレッドは?

SBI FXトレードなら、メキシコペソ/円の「スワップ8倍デー」100万通貨で6000円、500万通貨で3万円もらえる計算に

 ここまで、メキシコペソ/円1万通貨の「スワップ8倍デー」の実質利益を計算してきましたが、そもそも、メキシコペソ/円1万通貨を取引するのに、いくら必要なのでしょうか?

 2022年4月18日(月)時点で、メキシコペソ/円が6.42円で推移していると仮定すると、1万通貨取引に必要な証拠金は、6.42円×1万通貨÷レバレッジ25倍=2568円となります。

1万通貨を3000円弱で取引可能ですから、初心者も始めやすいですし、資金に余裕がある方なら、100万通貨とか、500万通貨とか取引して、「スワップ8倍デー」で、たんまりスワップポイントを稼ぐのもアリかもしれません。

 以下に例として、メキシコペソ/円1万通貨、100万通貨、500万通貨を取引する場合の必要証拠金と、SBI FXトレードで「スワップ8倍デー」トレードを実行した場合にもらえる実質利益の金額をまとめてみました。

メキシコペソ/円1万通貨、100万通貨、500万通貨を必要証拠金と実質利益
メキシコペソ/円1万通貨、100万通貨、500万通貨を必要証拠金と実質利益

※メキシコペソ/円が6.42円で推移していると仮定

 SBI FXトレードで、メキシコペソ/円100万通貨を取引する場合、必要証拠金は25万6800円で、「スワップ8倍デー」の実質利益は6000円

 メキシコペソ/円500万通貨では、必要証拠金が128万4000円で、「スワップ8倍デー」の実質利益は3万円という計算となりました。

 数千円でも、数万円でも、数百万円でも、資金に余裕のある方は、4月26日(火)と4月27日(水)に、SBI FXトレードLINE証券「LINE FX」でも悪くない)でメキシコペソ/円を買い、「スワップ8倍デー」トレードを行ってGWに向けたお小遣いを稼いでみてはいかがでしょうか?

南アフリカランド/円の「スワップ8倍デー」は1日で完結。実質利益はメキシコペソ/円に少し見劣りするが、ポジションを長く持ちたくない人には向いているか

 続いて、南アフリカランド/円の「スワップ8倍デー」トレードを見ていきましょう。

 記事冒頭で書いたとおり、南アフリカランド/円は、日本のGWに加えて、南アフリカで4月27日(水)と5月2日(月)が休場となる関係から、4月25日(月)がスワップ8倍デーとなります。

 メキシコペソ/円は2日間合計でスワップ8日分でしたが、南アフリカランド/円は4月25日(月)の1日でスワップ8日分をもらえますから、ポジションを持つ時間が短くなるというメリットがあります。

 では、南アフリカランド/円の場合、いったいどのFX会社で「スワップ8倍デー」トレードを実行するのが、もっともおトクなのでしょうか?

「『スワップ8倍デー』トレードでは、スワップポイントの高さに加えて、スプレッドの狭さが大事」という点には、この記事の中でも何度か触れてきましたが、実は、南アフリカランド/円のスプレッドが狭いFX会社は限られています。以下の【参考コンテンツ】をご覧いただくとわかるとおり、業界上位水準のスプレッドを提供しているのは、数社のみです。
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南アフリカランド/円のスプレッドが狭いFX会社はここだ!

 ここでは、南アフリカランド/円のスプレッドが狭く、さらにスワップポイントも高いFX会社を厳選して紹介したいと思います。先ほどのメキシコペソ/円と同様に、記者が主要FX会社の南アフリカランド/円1万通貨あたりの買いスワップポイントについて、4月1日(金)から4月15日(金)までの平均を算出したところ、「南アフリカランド/円のスプレッドが狭く、さらにスワップポイントも高い」という条件に該当したのは、以下の2社でした。

●1万通貨あたり、1日あたりの南アフリカランド/円の平均スワップポイントが高いFX会社
トレイダーズ証券「みんなのFX」…9.23円
外為どっとコム「外貨ネクストネオ」…9.13円

 他にも紹介した2社と同水準かそれ以上の平均スワップポイントのFX会社はありましたが、スプレッドが広かったり、メキシコペソ/円のところで紹介したアイネット証券「ループイフダン」などのように、「スワップ8倍デー」が存在しないスワップポイント付与ルールが採用されていたりしたため、そういうFX会社は、ここでは除外しました。

 先に挙げた条件に該当するトレイダーズ証券「みんなのFX」と外為どっとコム「外貨ネクストネオ」において、南アフリカランド/円の平均スワップポイントを8倍し、スプレッド分の取引コストを差し引いた、「スワップ8倍デー」の実質利益は以下のように計算できました。

南アフリカランド/円1万通貨の「スワップ8倍デー」の実質利益

 

南アフリカランド/円の「スワップ8倍デー」の実質利益

※各FX会社のスプレッドは2022年4月18日(月)時点

 トレイダーズ証券「みんなのFX」だと、1日あたりの南アフリカランド/円の平均スワップポイントは9.23円で、8倍すると73.84円。0.3銭原則固定のスプレッドは30円のコストになりますから、実質利益は43.84円

 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」であれば、1日あたりの南アフリカランド/円の平均スワップポイントは9.13円で、8倍すると73.04円。0.5銭のスプレッドは50円のコストで、実質利益は23.04円と計算できます。

 先に紹介したSBI FXトレードで行うメキシコペソ/円の「スワップ8倍デー」トレード(2日間で)では、実質利益が60円という計算でしたから、それと比べると、南アフリカランド/円の「スワップ8倍デー」トレードの実質利益は、少し見劣りする感じです。

 しかし、南アフリカランド/円の「スワップ8倍デー」は1日で完結するのが良いところ。ポジションを長く持ちたくないという方には向いていると言えるのではないでしょうか?

 メキシコペソ/円と同様に、資金に余裕がある方は、南アフリカランド/円100万通貨や500万通貨を取引して、積極的にスワップポイントを稼いでもいいかもしれません。

トレイダーズ証券「みんなのFX」で取引する場合、南アフリカランド/円が8.65円で推移していると仮定すると、100万通貨なら必要証拠金は34万6000円で実質利益は4384円、500万通貨なら必要証拠金は173万円で実質利益は2万1920円と計算できます。メキシコペソ/円に比べると見劣りするとはいえ、十分、ちょっとしたお小遣い稼ぎにはなりそうです!

「スワップ8倍デー」トレードには、さまざまなリスクが存在することを忘れずに

 ここまで、メキシコペソ/円と南アフリカランド/円でスワップポイントがまとめてもらえるオイシイ話をしてきましたが、どんなトレードにもリスクはつきもの。「スワップ8倍デー」トレードにも、さまざまなリスクが存在します。

 たとえば、トレイダーズ証券「みんなのFX」の南アフリカランド/円のキャンペーンスプレッドは0.3銭原則固定と、現状、業界最狭水準ですが、スワップ8倍付与直後の日本時間早朝は、流動性も低下する時間帯ですし、通常時以上にスプレッドが広がる可能性があります。
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南アフリカランド/円のスプレッドが狭いFX会社はここだ!

 また、当然、為替変動リスクも存在します。

 たとえば、メキシコペソ/円を6.42円で買い、2日間でスワップ8倍をもらったあと、決済時に6.42円以上で決済できればよいですが、もしも値下がりしてしまったら、スワップ8倍でもらったスワップポイント以上の損失を被る可能性もあるのです。

「スワップポイント8日分をまとめてもらえるオイシイ日」だなんてお伝えしてきましたが、よいことばかりではなく相応のリスクも存在するという点は、ぜひ覚えておくようにしてださい。

為替変動リスクをほぼゼロにする「異業者両建て」は、高金利通貨ペアの場合、損失が出てしまう可能性が高い

 ただし、そんな「スワップ8倍デー」トレードのリスクのうち、為替変動リスクについては、ほぼゼロにできる手法が存在します。それは「異業者両建て」と呼ばれる手法です。

 しくみは、とてもシンプル。たとえば、A社のメキシコペソ/円の買いスワップポイントが高く、B社の売りスワップポイントはA社の買いスワップポイントよりも安いと仮定しましょう。異業者両建てを行う場合、まず、買いスワップポイントが高いA社でメキシコペソ/円を買い、それと同時に売りスワップポイントが安いB社でメキシコペソ/円を売るのです。業者をまたいで「両建て」することで、為替変動リスクをほぼ完全に相殺しながら、買いポジションと売りポジションそれぞれから受け取りと支払いで発生するスワップポイントの差額を得ることができる、というワケです。

 単純にスワップポイントが受け取れる買いポジションを持っている状態よりも得られる額は減りますが、為替変動リスクが、ほぼゼロになるというのは魅力的ではないでしょうか?

 もっとも、メキシコペソ/円のような高金利通貨ペアの場合、スプレッドが広かったり、買いスワップ(受け取り)と売りスワップ(支払い)を比べると、売りスワップ(支払い)が桁違いに高かったりする状況も見られるので、「異業者両建て」で為替変動リスクはほぼゼロにできても、実行した場合、結果的に損失が出てしまう可能性が高いというのが実際のところなのですが…。

 本来、「異業者両建て」は、米ドル/円などスプレッドが安定的に狭く、売り買いのスワップポイントの差も小さい通貨ペアなら効果を発揮するのですが、記事前半で書いたとおり、2022年4月18日(月)時点で、主要国の政策金利はそれほど高くないため、現状、「異業者両建て」を実行しても、あまりうまみはないということになります。

 手法の1つとして紹介してみましたが、いずれにしても今回の「スワップ8倍デー」トレードで活用するのは、ちょっと難しそうですね…。

「スワップ8倍デー」に関するアンケート実施。ザイFX!読者は「スワップ8倍デー」をどう迎えるの?あなたはスワップをたんまりもらう派?それとも…?

 お伝えしたとおり、「スワップ8倍デー」にさまざまなリスクが存在するのは紛れもない事実ですが、それと同等に、スワップポイントが8日分まとめてもらえる魅力があるのも事実です。世のトレーダーたちは、いったいどのように「スワップ8倍デー」を迎えようとしているのでしょうか?

 今回は、ザイFX!公式ツイッター(@ZAiFX)で「スワップ8倍デー」に関するアンケートを実施。ザイFX!読者の動向を探ってみました。

 まず、1つ目の選択肢「『スワップ8倍デー』はハイリスクなので取引しない」ですが、アンケートの回答では37.6%と4割弱を占めました。スワップポイントが8日分もらえるのはわかるけど、スプレッドも広がりそうだし、値動きも不安定そうでハイリスクっぽいから取引は手控えるつもり…ということでしょうか。「スワップ8倍デー」だからという理由だけでは飛びつかない、と考える人がもっとも多かったようです。

 次の選択肢「『スワップ8倍デー』でスワップをたんまりもらう」は、33%となりました。これは、「『スワップ8倍デー』はハイリスクなので取引しない」に次いで多い回答となっています。この結果からわかるとおり、今回のアンケートに答えてくれた方の中では、「スワップ8倍デー」トレードを実際にやってみようと考えている方が3割ほどいるようです。本記事で紹介したとおり、メキシコペソ/円や南アフリカランド/円ならスプレッド分の取引コストを差し引いた実質利益で考えても、「スワップ8倍デー」トレードで一定の利益を期待できるFX会社はあります。もちろん、いろいろとリスクは考慮しながら…ですが、挑戦してみる価値はあるのではないでしょうか?

 続いて、3つ目の選択肢「事前に買って『スワップ8倍』取りの値上がりを狙う」は、21.1%となりました。スワップポイント8日分が付与される日のNY市場終了に向けた駆け込み的な値上がりを期待して、事前に買いポジションを建てておこうという感じでしょうか。「スワップ8倍デー」で得られるスワップポイントそのものというよりも、イベントに絡んだ値動きで利益を狙うというのもおもしろそうです。

 最後の選択肢は「『スワップ8倍』落ち後の値下がりを狙って売る」で、8.3%でした。スワップ8倍付与後に株式の「配当落ち」のような値下がりの動きが出ることを狙って取引を、ということになると思いますが、こうした値動きを狙って売りポジションを建てる気でいる方は、今回のアンケートに回答してくださった方の中にはほとんどいなかったようです。昨今の円安を見ていると、円絡みの通貨ペアで売りポジションを建てること自体、なかなか勇気がいるかも…。

 簡単ですが、以上がアンケートの結果です。「スワップ8倍デー」をどのように迎えるか?ぜひ、アンケート結果も参考にあれこれ検討してみてくださいね。

あーでもないこーでもないと皮算用に夢中になれる「スワップ8倍デー」には、旅行の計画的な楽しさがある

 いかがだったでしょうか? “オイシイ”リターンと、さまざまなリスクが同時に存在する「スワップ8倍デー」ですが、あーでもないこーでもないと皮算用に夢中になれることが、もしかしたら「スワップ8倍デー」​最大の魅力かもしれないと個人的には考えています。

 それは、旅行の計画を立てる時間がある意味、一番楽しいのと似ているのかも…トレーダーのみなさんには、ぜひ、FXの世界を楽しく旅行していただきたいものです。

 日常のトレードを行うにも、「スワップ8倍デー」という非日常の旅に出るのも、まずはFX口座を開設していないことにははじまりません。

 今回の場合、「スワップ8倍デー」トレードをやるなら、メキシコペソ/円ではSBI FXトレードLINE証券「LINE FX」も悪くない)、南アフリカランド/円ではトレイダーズ証券「みんなのFX」外為どっとコム「外貨ネクストネオ」をオススメの口座として紹介しました。いずれも最短で申し込んだその日のうちに口座開設が完了し、取引を始められるFX会社ですので、興味を持ったならぜひ、この機会にチェックしてみてください。「スワップ8倍デー」にも、まだ間に合いそうです!
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(ザイFX!編集部・藤本康文)

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