雇用関連のデータに振らされている。ADPでは予想を大きく下回る就業者数だったが、昨日の失業保険では改善傾向が示された。昨日出た失業保険は今回の雇用統計の集計範囲には入っていないが、それだけブレのあると予想される雇用データの先行きを読み込んでいこうという市場参加者の意向が強いのだが、果たして雇用環境は良いのかどうか。
ドル相場も不確かな雇用データに振り回されている。ADPではドル円は108円台にまで突っ込み、昨日の失業保険では109円台の後半までメクリ上がった。ユーロ円などクロス円もそれに準じた動きとなった。
しかしニューヨーク時間のコアタイムではドル円は高値圏に張り付いたまま、小動きに徹した。すでに翌日の雇用統計を見てみたいという様子見の姿勢にシフトしたということだろう。
今夜はその雇用統計である。ADPのこともあったため、今回の事前予想は大きく拡がっている。30万人から110万人の増加まで、実に幅広い。コンセンサスというものではなく、予想自体が役に立たない。
それでも明らかなのは悪かったADPの後なので、基本は雇用データにはあまり期待していないという姿勢だ。しかるに就業者数の増加が70万人を越えてくるようだと、マーケットはサプライズの状態となって激しいリスクテークを演ずるかもしれない。長期金利が急上昇し、ドル相場も全面高になるかもしれない。
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